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ISO特集 改訂で共通化・汎用化進む

 2015年版ISO移行へ 継続的な維持・改善が課題

 2015年版ISOが発行されて1年以上が経過した。品質マネジメント規格のISO9001、環境マネジメント規格のISO14001は急速に普及したものの、事業活動とのかい離が指摘されていた。また、マネジメント規格ごとに用語の定義や規格の章立て・構成が統一されていないとの指摘から、改訂ISO9001/ISO14001では、共通化のために制定の指針を改正している。

 ISOは国際標準化機構が決めた国際規格であり、多くの企業が品質マネジメント規格であるISO9001と、環境マネジメント規格であるISO14001を取得している。

 公益財団法人日本適合性認定協会(JAB)によると、日本国内でのISOの取得件数は、ISO9001が約4万7000件、ISO14001は約2万7000件(17年1月20日現在)となっており、どちらも漸減傾向にある。

 なお、改訂された15年版ISO9001/ISO14001は、18年9月14日までに移行を完了させる必要がある。

 弊紙では、ゴム関連企業を対象にISO規格への取組みについてアンケートを実施したところ、品質管理体制の整備が進み、社員の認識が向上した一方、認証継続の審査に必要な費用、システムの構築・維持を負担に感じている企業もあった。主なゴム企業によるISOへの取組みを紹介する。




 2015年版規格改訂のポイント「附属書SL」とは?

 15年版ISO規格の改訂に先立ち、12年にISO規格を制定する際に従うルールのひとつである「ISO/IEC専門業務用指針 補足指針」が改正され、「附属書SL」がまとめられた。附属書SLとは、マネジメントシステムの枠組みを定義するもので、言わば「規格作成におけるルールブック」である。

 ISOはマネジメントシステム規格として、ISO9001(品質)、ISO14001(環境)など様々な規格を発行している。これらは個別の委員会で作成しているため、用語の定義や規格の章立て・構成が統一されていないという問題点があり、複数のISO規格を取り入れている企業にとって、運用の妨げともなっていた。

 そのため、ISOマネジメントシステム規格の制定・改訂において「構造、分野共通の要求事項及び用語・定義を共通化すること」が求められ、「ルールブック」として附属書SLが作られたのである。

 附属書SLでは、大きく分けると3つのことが規定されており、①規格の構造(章構成)の共通化、②共通用語及び中核となる定義の規定、③要求事項の明確化・強化である。

 例えば、共通用語及び中核となる定義では、「組織=自らの目的を達成するため、責任、権限及び相互関係を伴く独自の機能を持つ、個人又は人々の集まり」、「目的、目標=達成する結果」、「リスク=不確かさの影響」など、21の用語と定義が統一された。

 附属書SLの制定により、複数のISOマネジメントシステム規格において共通化が進み、企業にとって運用の負担が減少することが期待されている。

 ISO9001、ISO14001の改訂については、3年間の移行期間を経た18年には「ISO9001:2008」および「ISO14001:2004」は廃止される予定である。

ISO改正スケジュール2016