創刊70周年特別企画 各社の事業戦略 バンドー化学

2016年10月24日

ゴムタイムス社

グローバルで「際立つ」サプライヤーに
持続的な成長図る ベルトと機能製品の両輪で

%e5%90%89%e4%ba%95%e6%ba%80%e9%9a%86%e7%a4%be%e9%95%b7 バンドー化学(吉井満隆社長)は2013年度から22年度までの10年間を対象とする、中長期経営計画「Breakthroughs for the future=未来のための躍進」に即して事業を展開している。同計画では、バンドーグループの10年後のありたい姿として「ベルトおよび新事業を含む機能製品の両輪で、持続的に成長するグローバルで『際立つ』サプライヤー」を掲げている。

■17年度に売上高1000億円へ

 ありたい姿を実現するため、創業以来、培ってきたゴム・エラストマーや樹脂に関する「コア技術」と「信頼の品質」に磨きをかける。
 計画のうち前半の5年を「Breakthroughs for the future 1st stage(BF―1)」として5つの指針を掲げ、目標を設定した。
 5つの指針とは「グローバル市場戦略の進化」「製品の進化」「ものづくりの進化」「新事業の創出」「経営品質の進化」。
 グローバル市場戦略の進化では、アジアを重点地域とし、ベルト事業分野でアジア市場のシェア・ナンバーワンを目指す。国内市場については、市場ニーズにマッチした高機能製品を開発するほか、顧客に密着した販売網を構築することにより、顧客にとって付加価値の高い製品を提供する。さらに、これらの高機能製品を核として周辺事業領域を拡大する。
 製品の進化に関しては、グローバルな視点で各地域の市場二ーズにマッチした「市場最適仕様」製品の開発を促進するとともに、顧客の「環境負荷低減・高効率・コンパクト化・機能複合化」に貢献する製品を連続的に生み出す。
ベルトイメージ ものづくりの進化では、顧客からの信頼をさらに強固にするため、不良率を低減することに加え、開発購買の推進や生産性の革新などにより、高いコスト競争力を実現するものづくりを目指す。
 新事業の創出については、同社のコア技術であるゴム・エラストマーや樹脂の配合・分散・複合化技術に磨きをかけるとともに、これらのコア技術に新たな技術を融合させることで新製品の創出と新市場開拓を進め、次代の新事業の柱として育成する。
 経営品質の進化では、ポートフォリオマネジメントの強化による成長製品への戦略的投資や、連結経営管理の強化に取り組む。加えて、純有利子負債ゼロを目指すとともに、為替・金利等の財務リスク管理を強化して、財務体質を強化する。
 また、経営者育成プログラムの推進、グローバル人事管理の強化、スペシャリストの育成、女性や外国人などの活用などダイバーシティ・マネジメントの推進により、次世代を担う人材を育成する。
 こうした取り組みにより、現事業の進化と深化、研究開発と市場開拓の強化を図り、BF―1の最終年度となる17年度には連結売上高1000億円、営業利益は100億円、新製品比率は30%、ROAは6%とすること目指している。

 


 

■従来の枠を超えた新製品も

C―ストレッチ

C―ストレッチ

 昨年の同社は、加古川工場と足利工場の生産ラインの刷新による製法革新に着手したほか、神戸大学との産学連携で進めている伸縮性ひずみセンサ「C―STRETCH(シーストレッチ)」や大手物流会社の山九と共同で、業界初の輸送貨物の固縛ベルト用張力計を開発するなど、新製品開発にも注力した。
 また、シンクロベルトの最上級グレード「Ceptor―X(セプターテン)」や欧州委員会規則、別名「プラスチック施工規則(PIM)」に適合した食品業界向け軽搬送用ベルト「サンラインベルト」の販売を開始するなど、現製品の高品質化・高機能化を推進した。
 さらに、より見やすく、より快適に利用できるように企業ホームページを全面リニューアルしている。

 


 

■企業価値向上へ「ESOP信託」

 同社は昨年12月22日開催の取締役会で、中長期的な企業価値を

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