ゴムタイムス 創刊70周年を迎えて

2016年10月24日

ゴムタイムス社

産業界と共に未来を作る
専門紙として健全な業界発展に傾注

週間護謨タイムス 弊社発行の「ゴムタイムス」は、1946年(昭和21年)10月17日に創刊されました。

 おかげさまで今年10月、創刊70周年の節目を迎えます。

 当初は古紙を原料とする仙花紙に印刷された、タブロイド版8ページの小さな新聞からスター卜しました。

 創刊した1946年は戦後の混乱期にあたり、ゴム原料も満足に入手できない状況にあったようです。

 業界においては、ゴム産業全体の動向を迅速、的確に報道する本格ジャーナリズムの登場が渇望されており、弊紙の創刊はまさに時宣を得たタイムリーなものだったと自負しております。

 その後も激動を続けるゴム産業界に寄り添いながら、弊紙が創刊70周年を迎えられますのも、ひとえに業界各位のご支援、ご鞭撻のたまものと、心より感謝申し上げます。

 グローバル化、IT化が急速に進展する昨今、産業界やメディアは変化への対応を迫られています。読者が何を求めているかを的確に読み取り、製品やサービスに生かす顧客本位の姿勢が改めて問われています。

 また、健全な産業発展に健全なメディアが不可欠なことは、過去も未来も変わることはありません。

 今後も、技術の創造と中小企業の成長に寄与しながら「ゴム産業界の羅針盤」としての使命を全うする覚悟です。

 創刊以来、業界各位からお寄せいただいた御厚情に対して衷心より厚く御礼を申し上げるとともに、社員一同初心に返り、ゴム業界・ゴム関連業界の健全な発展向上に微力を傾注する所存です。

WEBで最新情報を反映
変化に即した価値ある媒体目指す

1939年発行のゴムタイムスの前身雑誌「護謨時報」

1939年発行のゴムタイムスの前身雑誌「護謨時報8月号」

 戦後の復興期、ゴム産業が立ち上がり、現在の繁栄に結びつく基盤を形づくる中、本紙ゴムタイムスもそれを伝える立場としてゴム市場と共に歩んでまいりました。ここでは70年前の本紙が生まれた時にさかのぼって、これまでの動きをまとめてみました。

 本紙「ゴムタイムス」は1946年10月17日に第一号が創刊されました。その前身は、第二次世界大戦直後に発足した㈱綜合通信社の産業別通信で、好評を博していたゴム・皮革・プラスチックの3紙の中にあった専門紙「護謨タイムス」です。

 本紙が創刊された46年は、まだ戦後の混乱が尾を引いていた時期でした。

 当時の記録をひもとくと「創刊当時は何分にもゴム業界に情報伝達機関がなかったことから、飛ぶように本紙が売れた」とされています。

 特に戦後の統制時代においてはゴム製品の不足が続き、ゴム資材もヤミ価格で取引されていたようです。

 また、ゴム工業は儲かるという話から、戦後の自由な気風もあいまって、東京・大阪・神戸などの大都市に町工場が林立。

 有名な「焼ゴム事件」に象徴されるような、戦時中に隠匿された天然ゴムの争奪戦が繰り広げられていました。

 

国際見本市

国際見本市(昭和33年)

 他にも、ゴムの割り当てをめぐる東西業界の対立など、情勢は混乱を極めており、ゴム業界全体の動向を迅速・的確に報道する専門ジャーナリズムの誕生が待ち望まれていました。

 そうした中で発刊したゴムタイムスが、正確な情報の提供に尽力し、時に様々なスクープを報じたことで、読者の皆さまに全国的視野で市場動向を把握していただけたのではと自負しております。

 その後、当社は52年に綜合通信社から分離独立し、㈱護謨タイムス社として新たなスタートを切りました(64年、現在の「㈱ゴムタイムス社」に商号変更)。戦後の復興期が終わり、文字通り高度成長期に移行する中で、さまざまな事業にも着手していきました。

 本紙の他、昭和24年に発刊した『ゴム産業名鑑』は、情報化時代に即応したゴム業界の詳細な「興信録」ともいえる刊行物(現在も隔年で発行)に成長しました。

 また、現在の海外拠点進出の前身ともなる50年代半ば以降の国際交流時代を先取りして、世界五十数ヵ国のゴム事情を視察した「世界ゴム事情調査団」の派遣など、多彩な付帯事業からゴム業界の活性化、業界内の連携、コミュニケーション強化にも尽力。

調査団

初の世界ゴム事情調査団(1959年)

 以来、現在まで70年に渡り、ゴム専門業界紙としてゴム産業とともに歩んでまいりました。

 情報化時代を迎えて久しい昨今、「ゴムタイムス」は、ゴム・プラスチックに関する総合専門紙としてニュース、論評、解説、統計・資料などを報道する一方で、インターネットサイト「ゴムタイムスWEB」を公開。社会構造の変革や国際情勢の変化にも迅速に対応し、オンタイムで最新情報を反映させることで、多角化・グローバル化する企業の業態に即した、新たな価値ある媒体の創造を目指しております。

 今般、環太平洋パートナーシップ(TPP)の成立、中国経済の停滞、欧州不安の再燃など、ゴム関連企業をとりまく経済環境は目まぐるしく変化しています。またニーズの多様化に見合うべく、ゴムと樹脂、新素材とのコラボレーション、熱可塑性エラストマー(TPE)の用途拡大など、技術的革新も進捗する一方です。

 厳しい経営判断が迫られる情勢の中で、本紙は今後とも業界活性化の一助となるべく、専門新聞として視野をより広げつつ、「本紙にしかできない、独自性のある紙面づくり」を根幹に据え、ゴム業界・ゴム関連業界の健全な発展向上に、微力ながら傾注していく所存です。(㈱ゴムタイムス社社長 稲垣幸一)

 

ゴムタイムスの歩み

■1946年(昭和21年)10月
 株式会社総合通信社の産業別通信の一環として『護謨タイムス』(現在はゴムタイムス)を創刊。
■1949年(昭和24年) 7月
 『ゴム産業名鑑』を発刊。以後、隔年で刊行。
■1950年(昭和25年) 1月
 神戸・三越百貨店でわが国で初めての「全国特選ゴム製品展示会」(通産省後援)を開催。引き続き大阪、名古屋、東京、仙台、札幌、京都、福岡など各地の有名デパートで「ゴム製品展示会」「ゴム・プラスチック展」を開催。
■1952年(昭和27年)10月
 総合通信社から独立し株式会社護謨タイムス社を設立、『ゴムタイムス』および『ゴム産業名鑑』を引き継ぎ今日に至る。
■1953年(昭和28年)
 「全国優良ゴム履物コンクール」を主催、以降10数年にわたりゴム履物、ケミカルシューズの技術・品質向上と流通市場の適正化に寄与した。同コンクールは、その後、全日本ゴム履物卸商業組合連合会に実施権を委嘱、1970年まで行われた。

■1956年(昭和31年)10月
 ゴムタイムス創刊10周年を契機に、以降、5年ごとに業界懇親の集いとして「記念会」を開催。
■1958年(昭和33年)
 「’58世界貿易産業博覧会」(門司市)、にゴム・プラスチック館を建設し、ゴム・プラスチック産業界の業況を紹介。

■1959年(昭和34年)10月
 「世界ゴム事情調査団」を編成し、世界のゴム・プラスチック業界を視察。今日まで百数回におよぶ調査団を派遣。
■1960年(昭和35年)
 関東ゴム人ゴルフ大会を初めて開催。
■1964年(昭和39年)1月
 商号を「株式会社ゴムタイムス社」に変更。
 同年4月ゴム専門紙として初めて「社団法人日本専門新聞協会」に加盟。
■1975年(昭和50年)10月
 「週刊ゴムタイムス縮刷版」を創刊。「IRC75東京」開催に協賛して英文紙『The Rubber Times』を発刊。
■1976年(昭和51年)10月
 日本のゴム産業を海外へ紹介する目的で英文ゴム年鑑『Rubber Industry In Japan』を創刊。
■1977年(昭和52年)11月
 オールゴム人ゴルフ大会を主催。1987年11回大会まで開催。
■1986年(昭和62年)10月
 ゴムタイムス紙創刊40周年記念会を開催
■1996年(平成 8年)10月
 ゴムタイムス紙創刊50周年を迎える。
■2006年(平成18年)10月
 ゴムタイムス紙創刊60周年を迎える。

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