クラレ クラレケミカルを吸収合併へ 炭素材料事業の強化・拡大で

2016年09月29日

ゴムタイムス社

 クラレは9月29日、100%出資の子会社であるクラレケミカルを吸収合併することを、28日に開催した取締役会で決議したと発表した。

 合併期日(効力発生日)は来年1月1日の予定で、クラレケミカルは解散する。

 合併後は、両社の持つ技術や知見などを複合的に組み合わせた技術革新により、高度化する市場のニーズに対して最適なソリューションを提供する。また、海外ネットワークなど、同社グループが保有する経営資源を最大限活用し、炭素材料事業の強化・拡大を加速していく。 

 同社グループは、ありたい姿である「世界に存在感を示す高収益スペシャリティ化学企業」を実現するため、中期経営計画「GS―STEP」で事業領域拡大に向けた新機軸の検討を進めている。また、市場成長が期待できる「水・環境」「エネルギー」「電子・光学」を重要戦略領域と定めている。

 このうち、エネルギー分野では、クラレはリチウムイオン二次電池(LiB)部材向けに、植物系ハードカーボン負極材「クラノード」の事業化を推進。一方、クラレケミカルは、高機能炭素材メーカーとして、「エネルギー」「水資源」「大気浄化」などの幅広い用途で、グローバルに活性炭事業を展開している。

 両社が狙う市場のうち、車載用LiB部材市場は急速な成長が予想され、また世界の活性炭市場は、水質・大気汚染規制強化や新興国需要増加により、年率約7%の拡大が見込まれている。

 このような状況の下、クラレは炭素材料事業の早期拡大を図るため、クラレケミカルを吸収合併することにした。

関連キーワード: ·

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー