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2016年上半期 海外進出企業一覧 米・メキシコが4割占める

2016年08月22日

ゴムタイムス社

 2016年度上半期のゴム関連企業の海外進出社数は、一時期の海外進出ラッシュが沈静化した前年同期から、さらに3社減った。特にタイヤは1社に留まっている。進出先としては、前年同期はアジアが8割を占めたのに対し、今期は堅調な米国市場を見据えた米国とメキシコへの進出が、拠点数で4割と最も多くなっている。

 

 タイヤ

 ◆住友ゴム工業
 住友ゴム工業は3月24日、急速な経済成長に伴うアフリカ市場でのタイヤ需要拡大に対応するため、南アフリカ工場でのトラック・バス用タイヤの生産設備の新設を行うと発表した。生産能力は1万本/日、生産開始は18年7月を予定している。

 アフリカ市場でのタイヤ需要は急速な経済成長に伴って増加しており、今後もさらなる成長が見込まれる。

 同社の南アフリカ工場ではこれまで、乗用車・ライトトラック用タイヤの生産を行っており、14年に高性能タイヤを初めとする生産能力の増強と品質向上を目的として11億ランド(約80億円)の投資計画を発表していた。

 今回、トラック・バス用タイヤの生産設備の新設のため9・1億ランド(約66億円)の追加設備投資を実施。現在、トラック・バス用タイヤについては輸入販売を行っているが、生産設備を持つことで、現地での安定供給が可能となる。

 同社はアフリカ市場におけるタイヤ販売事業の一層の強化を図るとともに、グローバル展開を加速させていく方針だ。


 

 原材料

 ◆三井物産
 三井化学は2月29日、三井化学SKCポリウレタン(MCNS)が出資する、インドでバイオポリオール製造を行う合弁会社「バイタル・キャスター・ポリオール(VCP)」が、25日にオープニングセレモニーを開催したと発表した。

 VCPは、インドで非可食植物由来のひまし油を主原料とした「バイオポリオール」の製造・販売を行うことを目的に、三井化学と伊藤製油、インドのJAOの共同出資により設立された。

 インドは、世界のひまし油の8割を生産しており、コスト競争力あるバイオポリオールの安定供給体制が可能となる。VCPでは工場が完成し、1月から営業運転を開始した。

 なお、三井化学は韓国のSKCとポリウレタン材料事業を統合したため、VCPへの出資はMCNSからとなっている。

 VCPは13年9月に設立。資本金は3億6000万ルピー。出資比率(議決権ベース)はJAOが50%、MSNSが40%、伊藤製油が10%。本社はインドのムンバイ、工場はインドのグジャラート州にある。バイオポリオールの生産能力は8000t/年。

 MCNSは、電気冷蔵庫用断熱材を始め、様々な分野でウレタン製品を製造・販売している。特に自動車分野では、日系・韓国系メーカーへの内装用ポリウレタンフォーム原料の最大供給メーカーであり、世界で唯一、非可食植物由来のバイオポリオールを商業的に供給している。

 VCPの営業運転開始により、石油由来のポリオールと同等のコスト競争力のある製品供給が可能となり、日本・韓国を含むアジア9拠点、欧米3拠点のシステムハウスを通じて販売拡大を目指す。

 ◆BASF
 BASFは3月22日、韓国のコーロン・プラスチックスと16日に韓国で折半出資の合弁会社「コーロン・BASF・innoPOM」を設立する契約を締結したと発表した。

 同合弁会社は、トランスポーテーション(自動車などの輸送関連産業)、建設、工業分野、消費材の市場で使用される、エンジニアリングプラスチックのポリオキシメチレン(POM)の製造を行う。

 年間生産量は7万tになる見込みで、韓国・金泉にあるコーロン・プラスチックスの、POMの製造が行われている既存施設内に開設される計画だ。

 全体としては世界最大のPOM製造コンプレックスとなる。18年下半期の稼働を予定。POMの製造で長年の経験を持つ両社は、コーロンの効率性の高い製造技術を活用していく。

 なお、韓国の新工場の稼働後、BASFはルートヴィッヒスハーフェンにおけるPOMの製造を中止する予定である。

 ◆日本ゼオン
 日本ゼオンは3月29日、子会社のゼオン化成がメキシコに塩化ビニル樹脂を原料とするパウダースラッシュ用樹脂コンパウンドの生産工場を建設し、17年4月の生産開始を目指すと発表した。

 ゼオン化成は15年7月に「ゼオン・カセイ・メキシコ(ZKMX)」を設立。このほど、メキシコ国内の日系・欧米系の自動車メーカーを始め、北米との交通アクセスに優れ、充実したインフラ環境を整えたサンルイスポトシ市コリナス工業団地に新工場建設を開始した。

 第1期は17年4月に、パウダースラッシュ用樹脂コンパウンド(PVC/PSC)の年1200tの生産を開始する。市場の拡大に合わせて、第2期にはさらに1200tの能力増強を行い、合計年産2400t体制とする計画だ。

 ゼオン化成のPVC/PSC生産拠点は、国内の茨城工場、海外では中国の常熟工場、今回のメキシコ工場と3拠点体制となる。メキシコ工場は供給の安定性の確保と地産地消の推進のために建設された。

 PVC/PSCは意匠性・成型加工性に優れる上、安価でもあることから、インビジブル・エアバッグ・システム用表皮材として、日本国内はもとより海外自動車メーカーでも採用が進んでいる。

 同社ではメキシコでの現地供給に対応し、日本のゼオン化成PSC開発営業部や日本ゼオン加工品開発研究所との連携を強化し、市場の要請に対応できる体制作りを進めていく方針である。

 ◆クラレ
 クラレは4月22日、米テキサス州の現地法人「クラレアメリカ」のポバール樹脂新プラントがこのほど完成し、現地時間の21日に竣工式を実施したと発表した。

 新プラントの特長は、原料VAMからの一貫生産が可能な上、シェールガスなどによる安価な原燃料メリットを活用できるため、コスト競争力が高いこと。また、クラレの生産技術をベースに、差別化製品「エクセバール」の生産能力を持っていることも特長だ。第一期の生産能力は年産4万tで、設備投資額は約3億ドル。

 同社グループはこれまで、コア事業であるビニルアセテート系事業の世界展開を進めてきた。ポバール樹脂については、日本・シンガポール・ドイツに生産拠点を設置。14年6月には、デュポン社からビニルアセテート関連事業を買収したことで、米国に初のポバール樹脂「エルバノール」プラントを持つことになった。

 同社では、今回の新プラントとエルバノールプラントにより、ポバール樹脂の世界4極での最適生産を確立したことから、高品質な製品をグローバルに安定的に供給するとともに、北米・中南米市場を積極的に開拓していく方針だ。

 ◆日本ゼオン
 日本ゼオンは4月22日、「ゼオンケミカルズシンガポール社(ZCS)」のS―SBR製造ラインの第2系列が完成し、安全祈願セレモニーを6日に開催したと発表した。

 ZCSは14年4月に竣工して以来、低燃費タイヤ用原料として、第1系列の生産品が顧客に評価されてきた。順調に採用が決定し、市場の伸びも見込まれることから、建設を進めていた第2系列を完成させた。

 これにより、ZCSのS―SBRの生産能力は年産3万~4万tから、2系列合計6万~8万tとなる。

 ◆旭化成
 旭化成は4月27日、米国子会社「旭化成プラスチックスノースアメリカ(APNA)」のアセンズ工場が本格稼働を開始し、26日に現地で開業式典を行ったと発表した。
同工場はアラバマ州での樹脂コンパウンド第二生産拠点となる。生産能力は3万t/年。生産品目はポリプロピレン、ポリアミドを中心とした機能樹脂コンパウンド品。2月に稼働を開始している。

 同社は、マテリアル領域で樹脂コンパウンド事業のグローバル展開を重要な戦略と位置づけ、顧客ニーズに迅速に対応できるグローバルネットワーク強化に向け、アジアと米国ミシガン州のAPNAで事業の拡大を推進してきた。

 今回の第二工場の本格稼働により、米国南部を中心とした需要の拡大と顧客のニーズに応えた供給体制の拡充を図っていく。

 同社では機能樹脂事業の拠点を、北米以外に日本、中国、タイ、シンガポール、ドイツにも持っている。今後も顧客の要請に対応し、高品質・高性能の製品を提供していくため、市場ニーズに合わせた製品開発に取り組むとともに、さらなる供給体制の拡大も検討していくという。


 

 工業用品

 ◆住友理工
 住友理工は1月15日、インドに設立した

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