川口化学の12~5月期 国内販売不振で減収 円高進行で損失計上

2016年07月06日

ゴムタイムス社

 川口化学工業の2016年11月期第2四半期連結決算は、売上高が30億3500万円で前年同期比8・0%減、営業損失は5300万円(前年同期は1600万円の利益)、経常損失は5700万円(前年同期は2200万円の利益)、保有する福利厚生施設の一部につき減損損失を計上したため、親会社株主に帰属する四半期純損失は9600万円(前年同期は1400万円の損失)となった。

 ゴム薬品の分野は、国内については国内自動車生産をはじめ、タイヤ・合成ゴム生産で、同四半期も総じて前年割れの状態が継続した。このことから、工業用ゴム製品向けをはじめタイヤ、合成ゴム向け薬品についても販売数量が伸びず、前年同期比で売上が減少した。

 輸出については、東南アジア経済がやや弱含みで推移したことから、販売減となった品目があったものの、引き続き主力商品を中心に、この地域の受注の拡大に努力した結果、前年同期比で販売数量を伸ばした。しかし、同四半期も為替がさらに円高に進行したこととから、売上については前年同期比で減少。

 この結果、同部門合計の売上高は19億1300万円で同5・2%減となった。

 樹脂薬品の分野は、需要家に対し積極的に販売活動を行ったが、国内外のアクリル酸・アクリル酸エステルの生産が低調で推移したことと、輸入品との競合による主要製品の販売減の影響により、国内の売上は減少した。

 輸出部分は販売拡大のため、新規顧客の開拓と既存顧客との交渉を行ったが、中国をはじめとする既存顧客の稼働が低調で推移するとともに、為替が円高で推移し、他国企業との競合が一層激化したことから売上が減少した。

 この結果、同部門合計の売上高は3億5400万円で同19・8%減となった。

 中間体では、界面活性剤中間体は顧客の生産が復調したことから前年比で売上が増加した。染顔料中間体は原材料となる関連製品の需要の減少の影響と、主要品目の販売が低調だったことから、前年同期比で売上が減少した。

 農薬中間体は主要品目の顧客の受注減により、全体として売上を減らした。医薬中間体・機能性化学品は、品目により増減があったが、主要品目で売上増となり、前年同期比で売上が増加した。

 この結果、同部門合計の売上高は3億700万円で同7・3%減となった。

 その他の環境用薬剤は、納入先の需要に合わせ生産を行ったが、同四半期に入って年度末の在庫調整影響もあり、前年同期比で売上が減少した。潤滑油向けは国内海外向けとも販売が堅調であったことから、前年同期比で売上を伸ばした。

 新規用途向けは新規商品の販売を開始したが、品目により売上に増減があり、主要製品で同四半期の販売が前年同期比で減少となったことから、前年同期比で売上が減少した。

 この結果、部門合計の売上高は4億5900万円で同9・3%減となった。

 通期の連結業績予想は当初見通しから変更なく、売上高が64億円で前期比3・0%減、営業利益が5000万円、経常利益が5000万円、親会社株主に帰属する当期純損失が3000万円を見込んでいる。

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