【ゴムロール特集】金陽社 製紙用ロールが拡大

2016年07月11日

ゴムタイムス社

 ゴムブランケット・ゴムロールの国内トップメーカーである金陽社(東京都品川区、中田惠二社長)の16年3月期決算は増収増益の見込み。

 当期は「中期3ヵ年計画2015」の最終年度であり、計画目標の達成に向けて、さらなる拡販と高品質の製品開発に努めてきた結果、ゴムブランケット、ゴムロール、その他の3分野ともに増収を達成した。
  
 ゴムブランケットの売上高は、UV印刷用と新聞印刷関係が好調の国内向けを中心に伸長した。新聞印刷はこの2年ほどで徐々に更新需要が出てきているという。

 一方、ゴムロールの売上高も増加した。印刷用ロールはUV用は好調であったが、一般用が落ち込み減少した。製紙用は顧客からの品質評価が得られてきたことでシェアを拡大しており堅調推移、大型の搬送ロールなどの受注があった製鉄用、フィルム用も微増となった。OA機器用ロールは国内での販売が依然として厳しく低調で推移。その他分野はフィルム関連で機械メーカーからの大型案件の受注を中心に増加した。

キンヨーフレックスエンドレススリーブ

キンヨーフレックスエンドレススリーブ

 今年度からスタートした同社の「第2期中期3ヵ年計画2018」では、ゼロ災害、ゼロ事故、最良の製品、最高の品質、未来への挑戦、新技術・新生産方式の開発、海外事業の促進などを掲げ、そのために必要な投資の実施や人材育成などに取り組む方針を示している。売上高については、18年度に15年度比で25%増、海外事業の拡大による海外売上高比率拡大などを見込んでいる。

 今期の業績見通しについては、国内ではブランケット・ロールともに伸びているUV関係を一層伸ばすことに加え、シェア拡大が見込める製紙用、フレキソ印刷用、フィルム用等で拡販を図ることで増収増益を予想。

 そのフレキソ印刷用ではダイレクトレーザー彫刻機に対応した溶剤現像が不要なフレキソ印刷用ゴムプレート版材「キンヨーフレックス」やエンドレス絵柄印刷に最適でジョブチェンジがスリーブ脱着のみで行える「キンヨーフレックスエンドレススリーブ」などを相次ぎ市場投入。

 フレキソ以外の新製品としては、年初に発売した「キンヨーノーダンサー(仮称)」がある。ウェブ巻き取り時のロスを低減する部分貼り用の帯状シートで、コアに貼りつけることでウェブエッジが緩衝材に沈み込み、段差痕の発生を抑制する製品。

 現在、注力しているフレキソ印刷分野では溶剤を使わずに製版・印刷が可能なことから高い安全性が求められる飲料・食品類のパッケージや、医療・衛生材などの多様な分野での需要を開拓していく。[/hidepost]

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