熊本地震によるゴム企業各社の被害状況(4/21現在)

2016年04月22日

ゴムタイムス社

 4月14日夜から熊本県と大分県で断続的に発生している「平成28年熊本地震」は、同地域の生産拠点に被害を与えた。

 21日の時点で、ゴム関連企業が明らかにしている被害状況は、次のとおり。

 ブリヂストン熊本工場(熊本県玉名市)は、同地震の影響で稼働を停止したが、施設の点検・補修と安全確認を終え、21日から段階的に操業を再開した。同工場ではゴムクローラ・高圧ホース・工業用ゴムホースを月産2053t生産している。従業員数は昨年12月末時点で、正社員・契約社員合わせて516人おり、全員の無事を確認している。

 NOK熊本事業場(熊本県阿蘇市永草)は、建屋や生産設備に大きな損傷はないが、電力などのインフラが阿蘇地区を中心に供給が滞っており、同事業場の稼働は停止している。18日現在、同社従業員全員の安全確認が取れているが、事業場周辺をはじめ熊本県内で道路が寸断されており、従業員の通勤、物資の輸送に障害が出ている。今後の復旧について、同社は建屋、設備の点検など、可能な場所から復旧作業に取り組んでおり、今後の状況については詳細が判明し次第、すみやかに知らせるとしている。

 また、同社の子会社である熊本シール工業は、21日現在、本社工場と第一工場(どちらも阿蘇市)の操業を停止。操業再開については、状況を把握してから明らかにするとしている。

 信越化学工業の関連会社である信越石英の九州工場(熊本県菊池郡大津町)は、大きな被害は発生しなかったものの、一部の製造設備が損傷を受けたため、操業を停止した。現段階では操業再開の時期は未定。同工場内に併設する九州営業所も営業を見合わせている。

 共和熊本工場(熊本県阿蘇郡西原村)では、14日の前震後、余震に注意を払い設備の安全確認を進めていたところ、16日の本震により、建屋と設備の損壊が拡大した。従業員は18日現在、全員の無事を確認。同社では、可能な限り被害状況の確認に努めているものの、引き続き余震が発生している中で、建屋内に立ち入っての調査が難航。操業再開の見込みについては、被害の全容を確認し次第、速やかに知らせるとしている。

◆義援金・支援活動も始まる

 ブリヂストンは4月19日、熊本地震の被災者への見舞いと復旧支援のため、2000万円を寄付すると発表した。熊本県と日本赤十字社宛に、それぞれ1000万円ずつ寄付を行う。

 横浜ゴムは4月21日、熊本地震被災地の復旧のため、日本赤十字社を通じ義援金1000万円を寄付したと発表した。

 東洋ゴム工業は4月21日、地震の被災者への見舞いと、被災地の早期復興のために、義援金として500万円、救援物資として簡易マットレス200枚を寄付すると発表した。

 豊田合成は4月19日、熊本地震に対する支援のため、NPO法人「ジャパン・プラットフォーム」に250万円の義援金を拠出すると発表した。また、支援物資として「LEDワイヤー式懐中電灯」720個と、備蓄してあった非常食3600食、飲料水3600Lを被災地へ寄付する。

 NOKは4月19日、熊本地震による被災者の救援と被災地の復興のため、義援金として総額4000万円を寄付すると発表した。熊本県に3000万円、阿蘇市に1000万円を寄付する。今回の地震により同社グループの拠点も被災し、現在全力で復旧に取り組んでいるが、同じく被災した同地域の住民に復興の礎として役立ててもらうため、義援金を贈ることにした。

 住友ゴム工業は4月20日、同社とダンロップスポーツが熊本地震の被災地への義援金として、合わせて300万円を寄付すると発表した。今後、グループ社員からも義援金を募る予定。

 西川ゴム工業は4月20日、熊本地震の被災者の支援のため、被災地に100万円の義援金を拠出すると発表した。

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