ランクセスの1~6月期 純利益が58%増加

2015年08月11日

ゴムタイムス社

 ランクセスは8月10日、2015年度第2四半期の業績を発表した。

 連結売上高は前年同期比約4・3%増の約21億ユーロ(前年同期は20億ユーロ)となった。販売量の増加と為替の有利な変動が、原料価格の低下に伴う製品売価の値下げ分を相殺する以上の効果を与えた。

 特別項目調整前EBITDAは、同13%増の2億7000万ユーロ(前年同期は2億3900万ユーロ)となった。これは主に販売量の増加、事業再構築によるコスト削減、為替の有利な変動(特に米ドル高)が後押ししたことによる。その結果、特別項目調整前EBITDAマージンは12・8%(前年同期は11・8%)と増加した。

 純利益は同58・2%増の8700万ユーロ(前年同期は5500万ユーロ)と大幅に増加。業務運営の効率化と固定資産の売却益がこの増加に貢献した。

 純金融負債は14億ユーロで、2014年末時点とほぼ同レベルとなったた。アジアにおける主なプロジェクトが完了し、設備投資額は、前年同期の1億5400万ユーロから7300万ユーロと半分以下に減少した。

 パフォーマンスポリマーズ部門の売上高は、同3・5%増の約11億ユーロ(前年同期は10億ユーロ)となった。同部門に影響を与えた主な要因は、販売量の増加、為替の有利な変動、原料価格の低下に伴う製品売価の値下げが挙げられる。特別項目調整前EBITDAは、前年同期比22・1%増の1億490万ユーロ(前年同期は1億2200万ユーロ)となった。

 アドバンスト中間体部門の売上高は、ほぼ全ての顧客市場において継続する堅調な需要が牽引、同3・1%増の4億6800万ユーロ(前年同期は4億5400万ユーロ)となった。特別項目調整前EBITDAは、同2・6%増の8000万ユーロ(前年同期は780万ユーロ)となった。

 パフォーマンスケミカルズ部門の売上高も大変好調で、同6・8%増の5億5300万ユーロ(前年同期は5億1800万ユーロ)となった。特別項目調整前EBITDAは、前年同期比5・8%増と大幅に増加し1億1000万ユーロ(前年同期は8100万ユーロ)となった。同四半期における原料価格の低下、為替の有利な変動、コスト削減が特に増益に貢献し、昨年から着手している3段階の事業再構築プログラムは予定通り進んでいる。第1段階の「事業部および管理部門の組織再構築による競争力強化」は順調に完了し、第2段階の「製造および営業とサプライチェーンにおける競争力強化」にも着手している。これには、エチレン・プロピレンゴム(EPDM)とネオジウム触媒ポリブタジエンラバー(Nd―PBR)の製造ネットワークの最適化が含まれている。

 同プログラムの第3段階は、「事業ポートフォリオの競争力強化」に注力し、特にゴム事業での連携を図る。

 堅調な第2四半期を受けて、同社は2015年度通年の業績予測値を再び上方修正し、特別項目調整前EBITDAは8億4000万ユーロから8億8000万ユーロとしている(前回予測値は8億2000万ユーロから8億6000万ユーロ)。

 同社は、ゴム事業をカーブアウト(事業分離)し、同社グループ内に設立する法的に独立した新会社へ移行するプロセスを開始した。タイヤ&スペシャリティーラバーズ(TSR)およびハイパフォーマンスエラストマーズ(HPE)の両ビジネスユニット、そしてこれらを支える管理部門から構成される予定。

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