【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情3 拡張するインドのゴム産業 加藤進一

2015年05月25日

ゴムタイムス社

 拡張するインドのゴム産業

 当社はインドにINDO-JAPAN POLYMERSという合弁会社を持っています。私がインドに行き始めたのが2005年ごろからで、そのころはChennai行の飛行機に乗ってもまず日本人に会いませんでした。それが今では日産自動車の工場ができたこともありますが、いつも20名以上の日本人が乗っています。やはり自動車産業は一大産業であることを再認識せざるを得ません。

 インドにはゴム成形会社が6000社ほどあり、日本の7倍あります。大学のゴム学科が3学科あり、ゴムの基礎技術(加工、配合)を教わった卒業生が毎年100名ほどゴム産業に輩出されています。この人材層の厚さは、特筆すべきことです。今や米国の名門アクロン大学のゴム学科も中国人、インド人だらけです。

 インドは天然ゴムでは世界5位の生産量を誇り、天然ゴムの消費量は中国についで世界2位と言われています。タイヤ生産量が多く、そのタイヤはインド国内向けとともに欧州にも輸出されています。EU仕様のタイヤが生産され、PCA対応のプロセスオイルも生産されています。自動車用ゴム部品の品質レベルは少し前まで日本の30年前のレベルであったのが、最近では日本の15年前ぐらいのレベルまで追い付いてきています。隔年でINDIA RUBBER EXPOが開催され、世界3大ゴム展示会になっています。世界中のゴム材料、機械メーカーが出展しています。

 インドはとにかく安く作るのがうまいのです。

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