中国企業が伊ピレリを買収へ

2015年03月26日

ゴムタイムス社

 中国化工集団公司(ケムチャイナ)は3月22日、イタリアのタイヤ大手ピレリを買収することで合意したと発表した。

 ケムチャイナの完全子会社であるチャイナナショナルタイヤ&ラバー(CNRC)がピレリ株26・2%を持ち株会社カムフィンから取得する。残りのピレリ株に対してはTOB(株式公開買い付け)が実施される。年内にも買収手続きを終えたいとしている。提示額は1株あたり15ユーロ。全株取得で約71億ユーロ(約9200億円)となり、中国企業によるイタリア企業買収としては2012年以来最大の企業買収となる。

 合意に従い、ピレリの活動および経営陣は維持され、新しいビジネス成長戦略が定められる。同買収については中国および外国の政府当局による承認が必要となる。

 CNRCはスチールラジアルタイヤ、オフロードタイヤを生産するほか、中国での自動車用ブレーキホース、高強度コンベヤベルトの最大生産企業。

 ピレリのマルコ・トロンチェッティ・プロヴェラ会長兼CEOは「ケムチャイナのようなグローバル企業との提携は、ピレリに大きな機会をもたらす。CNRCのビジョンはピレリの進歩と安定性を保証する」と述べている。

 ピレリは1872年に創業した世界シェア第5位のタイヤメーカー。11年よりF1にタイヤを独占供給していることでも知られる。

関連キーワード: ·

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー