JSR 慶應義塾と共同でイノベーションセンターを設立

2015年03月23日

ゴムタイムス社

 JSRは3月23日、同社と慶應義塾は、産・学・医療の連携拠点と位置付ける共同研究棟「JSR・慶應義塾大学 医学化学イノベーションセンター」を設立して共同で運営するという合意を発表した。

 大学医学部と化学素材メーカーとのこのような連携は世界でも類をみない試み。基礎から臨床まで一体での医学・医療を展開している慶應義塾の医学部および病院の研究者と、ライフサイエンス領域を戦略事業と位置付けて先端材料・製品の開発を進めるJSRの化学素材研究者とが密に連携することにより、医療分野の幅広いニーズや先進的アイディアを実現し、健康長寿社会を支える新たな診断・治療技術や医療支援技術の確立と普及につながる研究・事業創造を行う。

 JSR・慶應義塾大学医学化学イノベーションセンターは同大学医学部と大学病院が立地する信濃町キャンパス(東京都新宿区)内に建設費約24億円で2015~2017年に共同研究棟(地上3階、地下1階、総床面積約3900㎡)を建設、2017年4月から本格的に運用を開始する予定。

 JSRグループは、石油化学系事業(合成ゴム・合成樹脂など)・ファイン事業(半導体材料・ディスプレイ材料・光学材料など)と並ぶ新たな事業の柱を目指して、社会的課題の中でも特に化学企業の貢献が期待されるライフサイエンス分野などの戦略事業への投資を進めてきた。これまでに診断薬の研究開発と抗体医薬製造技術の領域で、国内外企業との資本業務提携等により体制を整えてきた。一方、慶應義塾大学医学部はこれまで医学・医療分野での先導者として新たな領域に取り組んでおり、2014年には大学が文部科学省の2014年度「スーパーグローバル大学創成支援」事業に、世界レベルの教育研究を行うトップ大学(タイプA)として採択された。その事業の「長寿」クラスターにおいて、健康長寿の実現に向けた研究を展開している。化学素材の研究開発型企業と社会の医療課題に基礎から臨床まで取り組む大学・大学病院とが連携することで、関連分野の研究や新事業創生の加速化という双方のニーズが合致して、共同研究棟を設立することに合意したもの。

 JSR・慶應義塾大学医学化学イノベーションセンターでは、医学的見地と素材開発の知見を融合させ、新しいタイプの診断・治療技術、デジタルヘルスや3Dプリンティング等を活用した医療支援技術、ゲノム解析などもベースにした健康長寿研究等の分野で様々なソリューションの提供に取り組む予定。産・学・医療連携促進のためのスペースを十分に確保するとともに、医療ニーズと技術シーズをマッチングさせる部門を設置し、世界各国に先駆けて超高齢社会をむかえている日本で新たなイノベーションに取り組む。医学と化学の融合という全く新しい概念を突き詰めることでイノベーションを生み出し、健康長寿につながるような世界に貢献する実用技術を確立していくとしている。

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