ミシュランの1~12月期 欧州市場の低迷で減収減益

2015年02月19日

ゴムタイムス社

 ミシュランは2月18日、2014年12月期の期末業績を発表した。

 売上高は195億5300万ユーロ、対前期比6億9400万ユーロ減、営業利益は21億7000万ユーロ、同6400万ユーロ減で減収減益となった。なお同社は、連結範囲の変更および為替レートの変動による影響を除外した場合、同8100万ユーロの増益となるとしている。

 同社によれば、北米および中国を除き市場は停滞している。乗用車・ライトトラック用タイヤおよびトラック用タイヤの需要は、欧州の冬用タイヤセグメントで需要が低迷し、中国を除く新興市場における直需の需要も低迷した。農業用および鉱山用セクターの落ち込みは、建設機械用タイヤセグメントの直需市場およびインフラ向け市場の回復により緩和された。また、北米および中国では引き続き堅調な成長が見られた。

 上記のような環境下で、販売量は0・7%の微増。特殊タイヤの販売量は、鉱山用タイヤおよび農業用タイヤセグメントの減少にもかかわらず、ほぼ横ばいとなった。

 価格ミックスおよび原材料価格の変化は、予想通り1億1800万ユーロのプラスの影響を与えた。競争力強化計画による増益が、今年度も生産コストおよび諸経費へのインフレの影響を吸収。7億2200万ユーロの力強いフリーキャッシュフローを創出した(サスカー社への4億ユーロの投資算入前、および18億8300万ユーロの資本支出算入後。)

 グループの将来への信頼を反映して、前年度と同額の1株当たり2・50ユーロの配当が5月22日の年次株主総会で提案される予定。 

 2015年は、乗用車・ライトトラック用およびトラック用セグメントの需要は北米および中国で引き続き成長し、欧州でも穏やかな伸びではあるものの成長が見込まれており、一方で新興市場における前年度のトレンドを堅持し、東南アジアにおける回復を図るとしている。

 鉱山用タイヤの顧客はさらなる在庫削減を行う可能性があり、農業用タイヤセグメントの直需市場販売は減少すると思われるが、一方で建設機械用セグメントにおいては、直需市場およびインフラ向けビジネスが引き続き穏やかなペースで成長することが見込まれる。

 こうした環境下で、同社は事業を展開している市場における世界的トレンドに一致した販売ユニット数の成長を目標としている。さらにグループは為替レートの影響を超える営業利益(特別損益算入前の営業利益)の増加、11%を上回る使用総資本利益率(ROCE)、および約7億ユーロの構造的なフリーキャッシュフローと17~18億ユーロの資本支出を達成するという2015年の目標を設定した。

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