アキレス 新ウレタン注入材開発 トンネル補修に冬仕様

2014年12月18日

ゴムタイムス社

 アキレスは12月15日、事前防災に有効なトンネル補修技術『アキレスTn―p工法』(以下、「Tn―p工法」)において、冬季施工時の問題点を改善するための新ウレタン注入材「SK―02W」を開発したと発表した。

 また、『アキレスTn―p工法(冬仕様)』を12月22日から受注開始する。価格は1200円+税/キロ。

  「Tn―p工法」は、老朽化した道路トンネルや鉄道トンネル、水路トンネルなどの覆工コンクリート背面の空洞に発泡ウレタンを注入充填して補修する「裏込注入工法」で、多くの実績を重ねている。


 注入材の軽さ、施工性、注入設備のコンパクトさなどの特長で評価されている同工法だが、寒冷時においては注入する発泡ウレタンの液温が下がることで、粘度が上がり施工性が悪くなることに加え、反応が遅くなって固化時間が長くなり亀裂等からの材料流出の危険性が高まるというデメリットがあった。道路トンネル維持管理の指針のひとつである「道路トンネル変状対策工マニュアル(案)」(2003年(独)土木研究所)でも、「発泡ウレタンは10℃以下になると、粘性が増し注入機械への過剰負担と、固化不足が懸念されるため、暖める必要がある。」と記載されている。

 これらの冬季施工時の問題点を改善するため、主に従来採用されている40倍発泡タイプの発泡ウレタン「SK―02」の冬仕様として、今回新たに「SK―02W」を開発。新注入材の液温が10℃でも現行品の25℃と同等の固化時間を実現し材料流出の危険性を低減。粘度も約500mPa/20℃と、現行品に比べ34%低減できたことで施工性の改善ができる。

 また、材料開発と合わせ、寒冷地域での施工対応として、温調設備を追加した新しい注入機も開発。温調設備付き注入機を導入したのは、トンネル裏込注入工法では業界初。

 冬季施工時の問題点を改善した同製品を投入することで、今後一層の受注拡大を目指していく。

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