ニュースの焦点 合成ゴム各社の3月期中間決算

2014年11月25日

ゴムタイムス社

 ブタジエン下落で減益に

 合成ゴム、化学メーカーの3月期中間連結決算が出そろった。合成ゴムを主力事業とするJSR、日本ゼオンはじめ、EPDM主体の三井化学、住友化学、BRを生産する宇部興産、SBRを中心とする旭化成ケミカルズ、CRを生産する電気化学工業、 東ソー、シリコーンゴムの信越化学工業、フッ素ゴムのダイキン工業各社の合成ゴム、エラストマー事業の業績はおしなべて増収減益となった。

 各種合成ゴムともに売上高は増収となったものの、海外市況の悪化が響き、収益が落ち込んだ。

 合成ゴムの海外市況悪化要因に挙げられるのが「ブタジエン価格の低下」。

  「上期のブタジエン価格はトン当たり平均1300ドルであり、エラストマー事業の収益悪化の要因となった」(JSR)。「海外市況悪化の影響で営業利益は前年同期を下回った」(日本ゼオン)、 「ブタジエン価格が下落しているため、そのあおりを受けて、CRの製品市況も低下した」(電気化学工業)と合成ゴムの各種製品へ影響を与えた。

 そのブタジエン市況は足元、「相当落ちこんでいる」(電気化学工業)。「ブタジエン価格の低迷が続けば売値は厳しくなる」 (JSR)ことから、下期以降の更なる収益悪化が懸念されるところだが、上期は海外プラントの立ち上げ遅れや工場定修、設備トラブルなどで販売数量を伸ばせなかった企業もあり、下期はその生産抑制がなくなる。

 このため通期では「上期に低迷した国内外のタイヤ向け生産の回復が期待できる」(JSR)、「日系タイヤメーカー向けの需要は堅調で販売数量が伸ばせる」(宇部興産)ほか、海外プラントの本稼働による販売数量増が見込め、各社が増収増益を見込んでいる。

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