三洋貿易の14年9月期 高機能品拡大で収益2ケタ増

2014年11月06日

ゴムタイムス社

 三洋貿易の2014年9月期連結決算は、売上高は586億1800万円で前年同期比14・8%増、営業利益は31億7800万円で同30・2%増、経常利益は35億1600万円で同26・9%増で増収増益となった。当期純利益は19億8200万円で同34・4%増。

 同社グループでは、ゴム・化学品・自動車部品・機械機器関連で高付加価値商品の取り扱いを拡大するとともに、地熱・海洋資源開発などの資源エネルギー分野、木質バイオマスなどの環境関連分野、医薬・医療・バイオなどのライフサイエンス分野に注力した。また、期中にインドネシアに現地法人を設立(営業開始は2015年初旬予定)するなど引き続きグローバル展開を積極的に推進し、収益力の向上と営業基盤の強化に努めた。

 セグメント別の業績では、ゴム・化学品におけるゴム関連商品は、主力の自動車向けや家電・情報機器向け合成ゴムおよび副資材の国内販売が期後半に好調となった。円安による輸入商品の採算悪化があった一方、高機能性ゴム等の輸出が好調に推移した。化学品関連商品は、プラスチック用難燃剤や皮革向け化学薬品、インク向け顔料、医薬中間体等が好調となったが、期後半の円安による輸入商品の採算悪化、セラミック関連商品、ワックス、住宅建材用樹脂などの販売も低調だった。この結果、ゴム・化学品の売上高は241億1000万円、同6・2%増、営業利益は10億5300万円、同0・4%減となった。

 機械資材における産業資材関連商品は、自動車生産台数の回復と採用車種の増加により自動車シート用部品の販売が好調に推移し、センサーなど機能部品とシート部品メーカーへの原材料の販売も伸長した。機械・資材関連商品は、飼料加工用機械の部品販売は伸長したが機械本体の売上が伸び悩み、円安や競争の激化により利益率が低下した。また、環境分野向け機械も伸び悩んだ。一方、接着関連機械は好調に推移した。科学機器関連商品は、官公庁や企業の研究機関向けに大型分析機器をはじめとして、各種分析機器や試験機の販売が堅調だった。この結果、機械資材の売上高は157億3500万円、同26・0%増、営業利益は15億1800万円、同38・8%増となった。

 海外現地法人におけるSanyo Corporation of Americaは、高吸水性樹脂、ゴム関連商品が好調でしたが汎用フィルムは低調だった。三洋物産貿易(上海)有限公司は、ゴム関連商品が好調だったが自動車用部品関連が低調に推移した。San―Thap International Co., Ltd(タイ)は、ゴム関連商品や自動車用部品が好調に推移した。この結果、海外現地法人の売上高は126億200万円、同34・3%増、営業利益は3億5800万円、同0・3%増となった。

 国内子会社におけるコスモス商事㈱は、海洋・船舶、石油・ガス、地熱、CO2地下貯留関連分野が牽引し、掘削機材販売やレンタル事業が引き続き好調に推移した。㈱ケムインターは、化学品、機械・電子部品関連などが好調だった一方、液晶関連は輸出が低調だった。アロマン㈱は、産業用電子部品の受注が減少し業績は低迷した。この結果、国内子会社の売上高は59億4800万円、同5・2%減、営業利益は4億9400万円、同39・5%増となった。

 次期の業績予想については、売上高620億円(同5・8%増)、営業利益33億円(同3・8%増)、経常利益36億円(同2・4%増)、当期純利益21億円(同5・9%増)を見込んでいる。

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