三菱レイヨン 独CFRP部品会社ベティエ社の株式取得

2014年08月01日

ゴムタイムス社

 三菱レイヨンは7月31日、ベティエ・ホールディング(ベティエ社)の株式の51%の取得を目的とする「株式売買契約書」を、ベティエ社の親会社であるオーストリアのクロス・インダストリーと締結した。

 同契約は、欧州の自動車用途における炭素繊維・複合材料事業の強化拡大を図るためのもの。関係当局の許認可を前提として、所定の手続きを経て、本年9月を目途に同社の連結子会社とする予定。

 ドイツの自動車用炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製部品メーカーであるベティエ社は、バイエルン州ヘンゲルスブルグ市に所在。創立は1979年。代表者はアルフレッド・F・ヘーテンフーバー氏。事業内容はCFRP製自動車部品の開発と製造販売。

 また、クロス・インダストリーグループは、オーストリアを拠点とする自動車・二輪車用部品のリーディングカンパニーだが、同社は、ベティエ社を長期的に共同保有することにより、同グループと強固なパートナーシップを構築していくことを確認している。

 ドイツを中心とする欧州の自動車市場では、環境規制が強化される中で、CFRPを車体構造材に全面的に使用した電気自動車「BMW i3」が昨秋に販売開始されるなど、高い強度と軽さを併せ持つCFRP部品を本格的に採用する動きが加速している。1979年創業のベティエ社は、高級車への豊富な採用実績を通して、高い技術力を持つ自動車用のCFRP製部品メーカーとして欧州市場で広く認知されている。また、小規模生産向けのオートクレーブ工法だけでなく、中規模量産向けのRTM工法の両方に対応できる数少ないメーカーのひとつ。

 同社は、これまでも、ハイサイクルプレス成形(PCM工法)用プリプレグ材料など中間基材の開発・製品化や、株式会社チャレンヂの買収及び中国のアクションコンポジッツインターナショナルへの出資を通じたCFRP製自動車部品の量産拠点の整備、RTM工法の中間基材となる多軸ファブリックの開発に強みを持つ独TK インダストリーズ社のグループ会社化など、自動車向けの炭素繊維・複合材料事業の強化に努めてきた。

 新たに同社グループに加わるベティエ社を同社の欧州におけるCFRP製自動車部品の開発・製造・販売拠点とし、その製品を通じて当社の炭素繊維・複合材料の欧州での実績をさらに高め、欧州における自動車向けの炭素繊維・複合材事業のサプライチェーンを一層強化していくとしている。

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