夏季コラム 海外の免震建築物の現状と日本の免震建築物の課題

2014年08月11日

ゴムタイムス社

海外の免震建築物の現状と日本の免震建築物の課題 東京工業大学特任教授 西 敏夫

 日本に最初の免震建物が建てられたのは、1983年であるが、1995年の阪神淡路大震災でその効果が実証されるまでは殆ど普及しなかった。現在では日本免震構造協会のデータによると、日本中に3268棟(2012年)、内官公庁588棟、民間2680棟が建てられている。免震集合住宅は1385棟、免震病院428棟、高層免震建物382棟、歴史的建物のレトロフィット126棟等が主体である。戸建住宅は、4551棟という。2011年3月11日の東日本大震災でも抜群の効果が実証され、今後更に普及が進むであろう。

免震した昆明長水国際空港内部

免震した昆明長水国際空港内部

 海外の状況を見ると、中国では2008年の四川大地震でその効果が実証されて以来急速に普及が進み、2012年時点で4000棟以上という。この他、ロシアは約550棟、イタリアは2009年のラクイラ地震を境に増加して約400棟、台湾が約100棟、チリが約80棟、アルメニアが約40棟、

全文:約1450文字

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