日本ゴム工業会 ISO/TC157国際会議を開催

2014年04月14日

ゴムタイムス社

 日本ゴム工業会は4月11日、同会とISO/TC157国内審議委員会及び日本コンドーム工業会が経済産業省日本工業標準調査会の下に、第31回ISO/TC157国際会議を東京で開催すると発表した。
 日程は9月16日~19日。場所はKFCホール(〒130―0015 東京都墨田区横網1丁目6番1号)。
 ISO/TC157(避妊具及び性感染症予防具)国際会議の日本開催は初めて。同会議の参加国数及び参加者数は、2011年10月に横浜で開催したISO/TC45(ゴム及びゴム製品)国際会議とほぼ同規模となる予定。
 ISO/TC157は1974年に設立され、1975年にスウェーデンのストックフォルムで第1回の国際会議が開催された。その後、開催されなかった年もあったため、東京国際会議は第31回目の国際会議となる。今回、日本コンドーム工業会の尽力によって日本で初めてISO/TC157国際会議を開催することとなった。
 1980年代初期に始まったHIV/AIDSの流行が世界中の人々のライススタイルを変えるとともに、ISO/TC157の業務に重要な変化をもたらしました。即ち、戦後、コンドームは主に家族計画のために使われていたが、現在はHIV/AIDSの予防に対して有効であるため、又その他の多くの性感染症に対しても予防効果があるために使われており、ISO/TC157の業務範囲は従来の男性用コンドームから避妊具全般に拡大している。また、ISO/TC157は、現在13件の発行規格を保有しており、日本を含む正会員(Pメンバー)25か国、及び準会員(Oメンバー)25か国で構成されている。
 日本における最近の市場動向として、少子高齢化によって国内のコンドーム市場が縮小しているため、国内メーカーは輸出に力を入れており、輸出が国内向けを上回る規模になっている。一方、海外市場でも国内メーカーが得意とする「薄型コンドーム」に対する消費者ニーズが高まっており、日本メーカーにとってグローバル市場で拡売するチャンスとなっている。ところが、日本メーカーのほぼ独壇場である「薄型」製品は、薄型であるが故に、既存ISO規格の試験法では試験中に製品に傷が付く、破れるなどして、品質を正しく評価できていなかった。そのため、誤った情報が市場に流れて薄型コンドームに対する消費者の信頼を失う恐れがでてきている。そこで、今年5月を目途に日本が「薄型コンドーム前処理試験法」のNP提案を行い、東京国際会議において各国の承認を得る予定。ISO/TC157で日本初となるプロジェクトリーダーとして「薄型コンドーム前処理試験法」の規格開発を推進。なお、TC157において最も重要な国際規格であるISO 4074(男性向け天然ゴムラテックス製コンドーム―要求事項及び試験方法)の改正規格が2014年に発行される予定だが、日本ゴム工業会ISO/TC157国内審議委員会では、ISO 4074の改正審議と並行して、工業標準化法12条に基づき対応JIS規格である新JIS T 9111の原案作成を進め、今年2月に一般財団法人日本規格協会へ原案を提出した。今後、規格調整分科会及び化学製品技術専門委員会での審議を経て、早期の規格発行を目指す方針。

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