ランクセス 運送車両向け計算アプリ日本語版を公開

2014年04月09日

ゴムタイムス社

 独ランクセスは4月8日、同日の「タイヤの日」に合わせて、同社が開発した「運送車両向け計算アプリ」の日本語版を公開したと発表しました。
 同アプリは運送会社向けに設計された計算プログラムで、「エコタイヤ」の推進を目的に開発された。同社がミュンヘン工科大学と協力して開発、webサイト上(http://fleet.lanxess.co.jp/jp/)で簡単な登録を行うことで、無料で利用できる。同アプリを使用することで、運送会社は保有車両を「エコタイヤ」に切り替えた場合、どれくらい燃料を削減できるかを自社で試算することができる。
 日本国内のトラック用タイヤは、2013年時点で市販用タイヤ市場の27%を占めている。さらに、トラック輸送は、国内貨物総輸送量の90%以上を担っている。従って、運送会社が「エコタイヤ」をより多く導入することで、大幅な環境メリットが期待される。
 国土交通省は最近、「エコタイヤ」の導入に対する補助金(総額25億円)の実施を発表した。これは、12トン超の事業用トラックを対象とし、2014年3月までに、保有する全てのトラックにエコタイヤを導入するなどの条件に適応した運送会社が対象。
 同社は2013年8月~10月に、化学業界向けロジスティックスプロバイダーの独タルケ社と共同で、欧州においてトラック用タイヤの路上テストを実施。その結果、「エコタイヤ」を装着したトラックは、従来よりも燃料消費を約8・5%低減し、それにより、運送会社やロジスティックス会社は、年間数百万ユーロ(数億円)の経費の削減が可能となるとの試算結果も出ている。グローバルに技術サービスを提供する世界有数の第三者認証機関であるテュフ ラインランド社は、本テストのすべての結果を認証した。
 同社の「エコタイヤ」は、Nd―BRとSSBRの両方を含むゴム配合により最適な性能を達成することができる。「エコタイヤ」のトレッドとサイドウォールに使用されるNd―BRは、タイヤの転がり抵抗を低減し、燃費向上に貢献。さらに、Nd―BRは優れた耐摩耗性を備えているため、タイヤの耐久性を高める重要な役割を果たしている。SSBRは、主に「エコタイヤ」のトレッドコンパウンドに使用され、転がり抵抗を低減し、ウェットグリップ性能(湿潤路面におけるグリップ性能)を向上する。
 
 ランクセスは、最近、高性能タイヤの加工性を向上させる2つの新しい(EZ)Nd―BRを発表した。これらの新しいグレードは、改良されたマクロ構造技術により、混合と押出し特性を向上し、結果として高性能タイヤの製造を簡素化する。
 ランクセスのゴム分野における専門性は、ゴム添加剤という重要な分野においても非常に重要な役割を果たしている。過酷な環境にさらされるタイヤは、老化防止剤「ブルカノックス」製品群を使用することで、耐用年数を大幅に向上。ランクセスの完全出資子会社のラインケミーが提供する加工助剤「アクチプラスト」は、高充填のジエンゴムコンパウンド向け分散剤および潤滑剤として使用され、高活性シリカ含有コンパウンドにも最適。

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