【ゴム・ビニール手袋特集】望戸清彦理事長に聞く グローブ業界の現状と課題

2014年04月05日

ゴムタイムス社

ゴム張りタイプが大幅増加

 海外生産拠点での人件費高騰はじめ、各種手袋における需構造の変化に対応した施策を着実に展開する日本グローブ工業会。望戸清彦理事長にグローブ業界の現状と今後の事業課題を聞いた。

 ―13年度の販売状況からお聞かせください。
 望戸理事長 家庭用手袋は当初予想より若干下回っているが、1・6%の微増となった。家庭用手袋のうち極薄手袋についてはプラス7・5%増と順調に推移しており、一般家庭での使い勝手の良さが評価され、極薄手袋が徐々に浸透してきているものと考えられる。一般家庭用では、環境に優しい商品を求める消費者の意識の高まりから脱タンパクの天然ゴム製手袋が伸びてきているが、ビニール製手袋については特に厚手タイプの落ち込みが、ここ数年、顕著であり、ビニール製手袋の市場は中厚、薄手にシフトしつつあることがうかがえる。
 作業用手袋については、対前年比で3・7%のプラスとなっており、着実に伸びてきている。このなかでもゴム張りタイプが同21・5%増となっており、12年度対比では47・2%増と非常に大きな伸びを見せている。
 医療用手袋は手術用が前年比99・5%とほぼ前年並みだが、手術用の中でも合成ゴム製手袋は前年をやや上回る数字で順調に推移している。アウトサイダーが多い検査・検診用については、前年比19・5%増と20%近い伸びとなっているが、我々は専業メーカーであり、価格だけで左右される商品販売から何とか脱却していきたい。

安価品流入を高品質製で歯止め

 ―アウトサイダーへの対応は。
 望戸理事長 総販売額の50%弱を占める作業用では、中国はじめ東アジアから作業用専門問屋や大手のホームセンターが、

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