スマートエネルギーWeek2014開催

2014年03月03日

ゴムタイムス社

 水素・燃料電池展や太陽電池展など、8つの専門展で構成した「スマートエネルギーWeek2014」が2月26~28日、東京ビッグサイトで開催された。リード・エグジビション・ジャパンの主催。
 8展示会合わせて過去最多となる1594社が出展。このうちゴム関係企業では、水素・燃料電池展に秋田オイルシールと高石工業、太陽光発電システム施工展に早川ゴム、二次電池展にアントンパール・ジャパンと日本ゼオンが出展した。

 ●秋田オイルシール
 ゴムシール部品の製造・販売を行う秋田オイルシールは、産業向け燃料電池用シール部品とバッテリー用シール部品を中心に展示を行った。
 燃料電池とバッテリーのシール部品に通常のゴム製品を使うと、溶液にゴムの成分が溶け出して電池の性能を低下させてしまう。同社は独自の配合技術により、この問題を解決したEPDMシール部品を開発した。
 同製品は高い弱酸性と圧縮反力の持続性、低抽出性、ガス透過性がある。このため、長期間にわたり気密性が保持され、電池の耐久寿命の向上が期待できるということをPRしていた。

 ●高石工業
 水回りやガスなどのOリング・パッキンを得意とする高石工業は、NEDOのプロジェクトとして開発中の水素ステーションで使用する水素用ゴム材料を紹介した。
 従来の水素ステーションは水素充填圧力が35MPa。しかし、自動車メーカーが燃料電池自動車の航続距離を伸ばすため、燃料電池車の水素充填圧力を70MPaにする技術の開発を進めていることから、水素ステーションについても70MPaの充填圧力が求められるようになった。
 35MPaの場合は普通のOリングで耐えられるが、70MPaになると水素が透過してしまう。そこで同社では、耐水素用ゴム材料として、低温・高圧用にEPDM、常温・高圧用と高温・高圧用にフッ素ゴムを開発。このうち、EPDMを使用したOリングが70MPa水素ステーションの充填装置で採用され、現在、実証試験が行われている。
 今回は、実際に使われているOリングを展示し、100回の充填でも劣化せず、シールが持続していることを紹介していた。

 ●早川ゴム
 早川ゴムは、屋上設置型の太陽光発電システム基礎ではトップシェアを誇る「サンタックIBソーラー基礎」を展示した。
 同基礎は、元々あったフェンスや空調室外機の基礎を応用した製品で、塩ビ被覆の鋼製基礎である。
 標準工法のように、コンクリートを削ったり打設したりする必要がないことから、標準工法に比べ最大75%軽量化と、同40%の納期の短縮を実現した。しかも同社の防水シートを使えば、完全防水が可能になる。
 このため、右肩上がりで受注があり、現在は年間約1万5000個を販売。件数では約500物件に上るベストセラー商品となっている。
 太陽光発電の施工分野ではすでに十分な認知度があるが、施工法に応じてラインナップを増やしたり、部材の改良を行ったりしていることから、そうした点も含め来場者にアピールしていた。

 ●アントンパール・ ジャパン
 アントンパール・ジャパンは1台で様々な粘弾性測定が行える「MCRレオメーター」や屈折計、密度・濃度計、新たに同社傘下に入ったCSMのスクラッチテスターを出展した。
 これらはいずれも二次電池の性能向上に貢献するための測定・分析装置で、例えばMCRは電極のコーティングの平滑性評価や粒子の分散性の測定に使われる。あるいは、屈折計と密度・濃度計では、バッテリー液の劣化の度合いを測定することができる。
 同社はレオメーター・密度計・濃度計などの分野で、世界トップシェアを占めているものの、日本法人を設立してまだ5年と比較的新しく、社名が業界に浸透していないため、認知度を向上させることも今回の展示の目的として挙げていた。

 ●日本ゼオン
 日本ゼオンは、同社のリチウムイオン電池材料として、新開発の「正極用バインダー」「負極用バインダー」を中心に製品ラインナップをパネルで紹介した。
 同社の正極用バインダーは、高電位化により容量アップを可能にしているのが特長。また負極用バインダーは、電極が膨らむことでエネルギー密度が低下するという、リチウムイオン電池の課題を解決することを実現したものだ。
 同社では、これら以外にも「機能層用バインダー」「機能層用スラリー」などの製品を開発しており、リチウムイオン電池に欠かせない材料を提供していることを来場者にPRしていた。

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