川口化学の11月期 上半期の売上減響き不振

2014年01月17日

ゴムタイムス社

 川口化学工業の2013年11月期の連結決算は、売上高は62億1300万円で前年同期比9・0%減。営業利益は800万円で94・1%減、経常利益は300万円で同97・0%減、当期純利益は400万円で同94・3%減となった。
 自動車業界での緩やかな回復や、原材料価格の上昇などの状況の下、同社グループにおいては、原材料調達先の開拓や原材料のコストダウン、在庫の適正化を行った。また、市場競争力を高め、市場・生産環境の変化に対応できるよう、設備投資の最適化や生産体制の見直しをはじめとする生産合理化検討を進めた。販売においては、為替環境の変化に対応し輸出における受注を積極的に獲得するとともに、原材料価格変動に対応した価格改定を推進。また、主力のゴム薬品・機能性化学品に注力した販売活動を行い、新製品戦略の展開を行った。
 ゴム薬品部門では、国内の自動車生産は、前期秋のエコカー補助金の終了や、アジア全体での減産影響があったが、国内生産及び販売台数ともに第4四半期に入り前年同期比増加に転じた。この影響により、同社の主要顧客であるタイヤ・ゴム工業用品・合成ゴム生産も9月以降は前年同期比増加に転じたものの、上半期の売上減少の影響が大きく、国内ゴム薬品の売上は通期では前年同期比で減少となった。輸出においては、東南アジアをはじめ中国において回復傾向となったことや為替が円安に転じたことから、主力商品の輸出に注力した結果、売上は前年同期比で増加。この結果、ゴム薬品部門合計の売上高は40億6200万円で同3・5%減となった。
 樹脂薬品の分野は、主要需要先である国内外のアクリル酸・アクリル酸エステル・ABS樹脂・MMA等の市況は復調の傾向はみられるものの低調であり、第3四半期までの国内アクリル酸生産の大幅減少の影響並びに内外の競合先との国内競争が激化したことから売上が減少。この結果、樹脂薬品部門合計の売上高は6億9800万円で同25・6%減となった。
 中間体部門では、界面活性剤中間体は顧客の生産が堅調に推移したことから売上を伸ばしたが、染顔料中間体は品目によって増減があり、前期並みの売上となった。農薬中間体は、一部品目の受注増減があったが、主要品目で受注の回復もあり全体として売上を伸ばした。医薬中間体機能性化学品においては一部品目の販売増加があったものの、主品目で顧客の需要が伸びず受注が大幅に減少したことから売上が減少。この結果、中間体部門合計の売上高は5億9000万円で同22・9%減となった。
 その他部門では、環境用薬剤は市場動向に合わせた生産対応を行ったが、一部品目で受注が減少し売上は低調に推移した。潤滑油向け薬品は国内外市場の生産減の影響を受け、売上が減少。新規用途向け薬品は、品目により売上に増減があり、新規受注も獲得したが全体として売上が減少した。この結果、その他部門合計の売上高は8億6100万円で同5・9%減となった。
 同社は、今後のわが国経済は、政権交代以降の金融緩和、財政出動などの政策によって株式市場の回復、円高是正の局面が続いており、景気の持ち直し気運は続くものと期待される。しかし、円安進行に伴う原材料価格等の引き上げや平成26年4月施行の消費税増税による消費者心理の冷え込みが懸念されることなどから、景気の先行きは不透明な状況が続くものと予想されるとしている。このような状況の下、次期の連結業績見通しについては、売上高70億円で前期比12・7%増、営業利益は8000万円で同846・5%増、経常利益が7000万円で同1652・2%増、純利益が4000万円で同750・9%増を予想している。

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