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2014年01月13日

ゴムタイムス社

新春インタビュー ニチリン 国内物流センターが完成 海外子会社全社が黒字化

 

 

「アセアンを中心とした海外事業が堅調に推移したのに加え、国内からの輸出も為替円安により大きく収益に貢献した」。創立100周年を迎える14年度を前に中計の利益目標をクリアしたニチリン。清水良雄社長に今後の事業戦略を聞いた。

―13年を振り返って。

 14年3月期第3四半期決算では円安基調やニチリン(タイランド)の子会社化により、増収増益となり、通期でも公表数値をクリアできそうだ。円高時に実施してきた国内工場の生産性の改善、ホース生産の自動化に取り組んできた各種活動が100%実ってきた。アセアンを中心とした海外事業が堅調に推移したのに加え、国内からの輸出も為替円安により収益に貢献した。

 国内四輪車生産はエコカー補助金終了の影響により大幅減少していたが、昨年7月以降ようやく増加傾向となった。しかし、生産は燃費の良い軽自動車、小型車中心となり、中型車以上の車種の海外への生産シフトにより、売上高が減少。利益面においては、為替の円安基調や固定費の削減効果により増加した。

 海外ではアセアンの伸びが高く、アジアでは二輪車・四輪車市場が概ね好調に推移し、タイ、ベトナム、インドネシアも堅調、インド販社も3年目にして黒字を確保できた。中国では日本車の不買運動や経済成長率の鈍化により、現地通貨での売上高は減少したが、円安による為替評価の影響で増収となり、95%ぐらいの水準までに回復してきた。中国ではカーエアコンホースを月産20~30万mを生産しているが、ブチルゴム練の内作化が13年秋に完了した。

 北米でも自動車市場の回復により好調に推移、イギリスも昨年9月からランドローバー向けのブレーキホースの納入車種が拡大され、売上が増加した。欧州はこれまで苦戦していたが第4四半期には黒字になり、海外子会社はこれにより全社黒字となり、海外売上高比率は57%に達した。

 期中にスペインのハッチソン子会社に資本参加し、仕様統合など技術的な課題を詰めているところ。ほぼめどが立ち、来年からアライアンス効果を出したい。中国、米国にあるハッチンソン子会社の工場を我々が引き受けることになる。

 

 

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