東洋ゴム工業 年頭所感 信木明社長

2014年01月08日

ゴムタイムス社

 新年明けましておめでとうございます。
 当社は、2011年からスタートしている5ヵ年の中期経営計画の中間点を、昨年、無事折り返し、本年はいよいよ後半戦に突入します。これまでの3年間には、今後の重要市場である東南アジア、中国への布石として、シルバーストン社の買収や自社中国工場の設立、マレーシア新工場の竣工などを順次進め、グローバル生産供給の基盤が整ってきました。
 昨年は、北米に軸足を置いてきた当社のポートフォリオが、昨今の世界経済の潮目の変化にもマッチするとともに、優位性ある商品のミックスが奏功しました。また、米国工場の第4期増産拡張にも着手しており、今後、早期に中計目標を射程圏内に捉え、さらなる事業拡大をめざしていきます。
 さて、迎えた2014年、本年の干支は「甲午」です。甲午は、60年を周期として世の中の変遷の様子を表す干支が後半に入る年にあたる、非常に興味深い年です。
 歴史をさかのぼりますと、過去の甲午の年には、1834年「天保の改革」、1894年「日清戦争の開戦」、1954年「日本民主党の結成」など、その後の時代、社会の流れが大きく転換する「起点」となった出来事が足跡として残されています。
 また、字義を見ますと、「甲」は「固い殻」を表し、外見から中身が識別できないという状態を意味し、何がどのように変化していくのかわからない、手探りや思惑で物事が動くことを占っています。一方、「午」は「かみ合う」という意味。世の中を適合させる動きが始まることから、たいへん強い力を要することになると説かれています。
 これらから、本年は、「大きな流れの変化を暗示するターニングポイント」であり、そして、「将来を決める極めて重要な試みや行動を起こすことが求められる年」になると解釈できます。今後30年の新たな大きな流れに合わせ、しっかりギアチェンジすることを意識したいと考えます。
 当社は「企業力を高める」ことをスローガンに掲げ、成長基盤と経営基盤の強化に取り組み始めています。
 グローバルに保有している優位性あるリソースを見渡し、それらを有効活用していくことができれば、さらに強い企業へ成長できると確信しています。そのために、過去や前例にとらわれることなく、互いがさまざまな壁を越えて化学反応を起こし、「融合」と「革新」を実践していきます。
 当社は来年8月、記念すべき創立70周年を迎えることになりますが、甲午から始まる後半30年の先には100年企業というステージがあることをしっかり見据えて、この2014年という年を大切に、そして果敢に事業経営を行なっていきたいと思います。
 最後になりましたが、タイヤ産業に携わる皆様方にとって、本年がよき年になりますことを祈念して年頭の挨拶とさせていただきます。

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