住友ゴム 100%天然資源タイヤ発売へ

2013年11月23日

ゴムタイムス社

世界初 耐摩耗性も19%向上

 ダンロップの住友ゴム工業池田育嗣・代表取締役社長は21日、東京モーターショーで、世界初の100%石油外天然資源タイヤ「エナセーブ100」を、22日から発売すると発表した。
 発売サイズは1サイズ(195/65R15 91H)で、価格はメーカー希望小売価格、1本2万1105円を設定している。全国ダンロップ直営店舗で発売する。
 同社の一般的なタイヤでは、原材料の約60%を石油由来が占める。エナセーブ100は、石油や石炭などの化石資源を一切使わず、原材料の全てを天然資源に置換えた。
 具体的には、天然素材・天然由来の既製品へ置換える「天然置換え」、天然素材を改質して置換える「改質置換え」、存在しなかったものを創生して置換える「創生置換え」の3種類の方法で対応。
 天然置換えでは、合成ゴムを天然ゴム、カーボンブラックをシリカ、鉱物油を植物油、合成繊維を植物性繊維に交換した。
 改質置換えについては、転がり抵抗に優れるという天然ゴムの長所を生かしながら、天然ゴムそのものを改良した、合成ゴムの機能を合わせ持つ「改質天然ゴム」を採用し、安全性・耐久性・気密性など、求められる性能に応じて高機能化。
 安全性ではトレッドのウェットグリップ性能を向上、耐久性ではサイドウォールのクラック防止と耐久性向上を図り、気密性についてはインナーライナーの空気透過を抑制させている。
 創生置換えに関しては、自然界には存在しない素材をバイオマス技術で生み出し、量産化を実現した。とうもろこし・松の木油・菜の花(菜種油)を主原料に「バイオ老化防止剤」「バイオ加硫促進剤」「松の木油カーボンブラック」「天然ワックス」「天然硬化性樹脂」を開発し、それぞれ化石資源由来の原材料から転換した。
 なお、ひまし油由来素材の「新ジョイントレストバンド」をはじめ、「新パターンデザイン」「新プロファイル」の採用により、耐摩耗性を同社従来品に比べ19%向上。ロングライフ性能を確保し、省資源化を実現した。
 また、耐摩耗性・ウエットブレーキ・乗り心地性能についても、同社従来品を上回る性能を実現している。

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