JSR ハンガリーにS-SBRの新工場 年産6万トン

2013年11月22日

ゴムタイムス社

 JSRは22日、MOL Hungarian Oil and Gas Public Limited Company(以下「MOL」)とハンガリーにて溶液重合スチレン・ブタジエンゴム(S―SBR)の製造・販売を行う合弁会社を設立すると発表した。JSRとMOLは、契約の調印式を開催し、関係者出席のもと、合弁事業に関する契約書に両社代表者が調印した。なお、合弁会社の設立は関係当局の競争法に関する認可を取得してからとなる。

 合弁会社の設立にあたっては同社が51%、MOLが49%を出資する。新設する製造プラントは年産6万トンの生産能力を確保し、2017年の販売開始を予定している。また、今後の需要動向に応じて能力増強することも検討している。
 合弁会社が位置する中央ヨーロッパのハンガリーは、大手タイヤメーカーの集積地である西欧や、タイヤ生産の拡大が見込まれる中東欧・ロシア連邦・トルコ共和国に近いことに加え、ハンガリー国内にも大手タイヤメーカーが進出しており、市場へのアクセスに優れている。また、MOLは中東欧を代表する石油・ガス会社であり、S―SBRの原料を合弁会社に安定的に供給することができる。MOLの工場インフラと、同社のS―SBR製造技術、販売網を活用し、共同経営を行っていくとしている。

 同社のS―SBRは特徴的な分子構造により、業界トップレベルの低燃費特性、ウェットグリップ性能を有しており、エコタイヤと呼ばれる低燃費タイヤの原料として、国内外で高い評価を受けている。また、世界的な自動車燃費規制やCO2排出規制の強化、日本・欧州・韓国におけるタイヤの低燃費性能の格付け制度の普及、諸外国での今後の格付け制度導入見込みを背景に、低燃費タイヤ向けS―SBRの需要拡大が見込まれている。

 同社グループではその需要に応えるため、今年、タイの合弁会社JSR BST Elastomer Co.,Ltd.で年産5万トンの生産能力を持つプラントを稼働しており、能力増強を経て2016年には年産10万トンの供給体制を整えることを計画している。
 今回これに加え、新たにハンガリーにおいても事業拠点を確保し、日本・タイ・欧州の3極によるグローバルで最適な供給体制の構築を行い、S―SBR事業の一層の拡大を図っていくとしている。

【合弁会社、新設プラントの概要】
合弁会社名:未定
出資比率:JSR51%、MOL49%
工場所在地:ハンガリー国ボルショド・アバウーイ・ゼンプレーン県ティサウィヴァーロシュ
生産品目:S―SBR(溶液重合スチレン・ブタジエンゴム)
生産能力:年産6万トン
販売開始予定:2017年

【合弁相手先の概要】

会社名 :MOL Hungarian Oil and Gas Public Limited Company
所在地 :ハンガリー国ブダペスト
MOLグループ事業内容:原油、天然ガスの探鉱、生産、製油所、天然ガスパイプライン、ポリエチレン、ポリプロピレンなど

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