東洋ゴムの第3四半期決算 海外市販用タイヤ好調 営業・経常とも過去最高に

2013年11月13日

ゴムタイムス社

 東洋ゴム工業の2013年12月期第3四半期連結決算は、売上高は2681億8100万円、営業利益は246億7700万円、経常利益は242億4700万円。独禁法関連引当金繰入額を特別損失に計上したことにより、四半期純利益は61億4800万円となった。12年度の同期間ベースで、営業・経常ともに過去最高を達成した。
 同社の2012年12月期は、決算期変更により、9ヵ月決算となっているため、2013年12月期対前年同期比増減額及び増減率については記載していない。
 同社グループは2015年度を最終年度とする5ヵ年計画「中期経営計画’11」の目標を達成するため、成長・収益市場への事業拡大、最適供給体制の構築、高付加価値商品の拡販、環境配慮技術による商品化、製造原価低減の推進などに取り組んだ。
 事業別の状況では、タイヤ事業の売上高は2088億2700万円となり、営業利益は219億1800万円となった。新車用タイヤは国内自動車生産台数が減少した影響により、販売量・売上高とも低調に推移。国内市販用タイヤは低燃費タイヤ「NANOENERGY(ナノエナジー)」シリーズの販売が好調であったことなどにより販売量は順調に推移したが、商品ミックスの悪化などもあり売上高は前期並みとなった。海外市販用タイヤの北米市場では、景気の回復に伴い高付加価値商品であるSUV用タイヤの販売が好調であったことなどにより、販売量・売上高とも順調に推移した。また、欧州市場でも、新規顧客開拓の強化を図ったことにより、販売量・売上高とも順調に推移。一方、中国市場では、景気減速の影響を受け、販売量・売上高とも低調に推移したが、東南アジア市場では、販売量・売上高とも順調に推移。この結果、海外市販用タイヤ全体では、販売量・売上高とも順調に推移した。同期間ベースでも増収増益を達成した。
 ダイバーテック事業の売上高は593億1900万円となり、営業利益は22億円となった。
 輸送機器分野は、自動車用防振ゴム及びシートクッションでは国内自動車生産台数が減少した影響により、売上高は低調に推移した。鉄道車両用空気バネ及び防振ゴムでは、国内の補修市場向け及び海外新車向けへの販売が伸びたため、売上高は順調に推移した。
 断熱・防水資材分野では、断熱資材分野については、建材メーカー向け硬質ウレタン原液の販売が好調だったが、農畜舎向け資材の販売が低迷したため、売上高は前期並みとなった。防水資材分野については、市場が低迷したため、売上高は低調に推移した。
 産業・建設資材分野については、建築免震ゴムの受注が好調であったため、売上高は順調に推移した。同期間ベースでは減収減益となった。
 通期の連結業績予想については、販売価格の下げ幅が想定水準以下と見込めること、為替が想定よりも円安に推移したこと、原材料価格の低下に伴う影響及びコスト削減効果等により、営業利益及び経常利益について、8月9日発表の予想を上方修正した。また、同第3四半期連結累計期間において、米国司法省の自動車用部品に係る米国独占禁止法違反の調査に関して、将来発生しうる損失の現段階における合理的な見積額を引当計上したため、前回発表の純利益の通期連結業績予想の見直を行った。この結果、売上高は3700億円、営業利益は320億円、経常利益は300億円、純利益は100億円を見込んでいる。

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