BASF 独展示会に樹脂出展

2013年09月10日

ゴムタイムス社

 BASFは、17日から19日に、ドイツ・シュトゥットガルトで開催される展示会「Composites Europe 2013」(コンポジットヨーロッパ2013)において、熱硬化性材料および自動車の軽量化用途向けに特別に開発した、新しい連続繊維強化型熱可塑性コンポジットについて発表する。さらに、風力タービン用途向けのポリウレタン技術に関する発表を、展示会場のMessepiazza(メッセピアッツァ)のホール4、ブースB26で行う。
 同社は、新しいUltracomの製品・サービスのコンセプトを6月に発表した。同展示会では、Ultracomを採用した初のコンポジット部品の試作品を発表する。今回発表する自動車のリアシート用シートバックは、ジョンソンコントロールズ社オートモーティブシーティング部門が同社と共同開発したもので、Ultralaminate(ウルトララミネート)をベースとしている。
 Ultralaminateは、耐衝撃性に優れた特殊なポリアミド6であるUltramid(ウルトラミッド)ZG7 COMでオーバーモールドされた、新しい連続繊維強化型熱可塑性シートの一つ。開発の際には、同社の広範囲にわたるシミュレーションのノウハウを、Ultracomのパッケージの一部として提供した。従来の金属製のリアシート用シートバックと比較して、複合コンポジット部品では、重量が30%以上低減される。
 同展示会では、新しいCIFO試験片を展示する。CIFOの名称は、「 Combination of Inmold-Forming and Overmolding(インモールド成形とオーバーモールド成形の組み合わせ)」に由来する。同試験片は新しい試験設備で、Ultracomを用いたコンポジット部品設計のあらゆる可能性を開拓するために開発された。連続繊維強化コンポジット部品の大量生産の検証に用いられるこの多機能試験片は、1・5 mm厚の成形ラミネートと、リブやエッジなどの最大3mm厚のモールド成形部分で構成されている。約20の機能を有するこの試験片を用いることで、コンポジット部品の製造における特性を再現。この試験片の特徴としては、エッジのシーリング、長い流動長、成形ホール、リブ、ラミネート貫通成形要素、リブ付きU字型ビームなどが挙げられる。
 ポリアミドに加え、同社のマルチマテリアル・ライトウェイト・コンポジットチームは、構造および準構造部材向けの熱硬化性ポリウレタンとエポキシ樹脂システムに基づいた、連続繊維強化コンポジットのコンセプト開発も行っている。高圧RTM(樹脂注入成形)用に特別に開発した、新しいBaxxodur(バクスドア)System 2202 エポキシ樹脂を用いた、炭素繊維強化フェンダーの試作品を出展する。エポキシ樹脂システムは、120℃ でわずか2・5分という短い離型時間で架橋し、優れた機械特性を示すとともに、広いプロセスウインドウを有している。
 同社は、同会において初めて、Elastocoat(エラストコート)C6226-100ポリウレタン樹脂を使用した引抜き成形部品を展示する。同社は、デンマークのFiberline Composites(ファイバーライン コンポジット)社とともに、ローター・ブレードの根元をナセルに確実に取り付けるための引抜き成形ロッドを製造するために、このポリウレタン樹脂を開発した。連続引抜き成形は、繊維配向の改善と金属製ブッシュのインライン組み込みを可能にし、均一で高品質な製品を実現する。ポリウレタン樹脂は、金属製ブッシュとの接着に加え、エポキシ注入樹脂との接着も改善する。このあらかじめ一体で製造することができる部品により、従来のようにブッシュを固定するために側面に穴をあける必要がなくなる。ブレードの根元とハブ径の両方を低減することが可能となり、材料を大幅に節約できる。
 同社は、Baxxodurエポキシ樹脂システムをベースとするガラス繊維強化ラミネートと、特に耐疲労性に優れた新しいElastolit(エラストリット)ポリウレタン発泡体で製造した発泡コアでできた、サンドイッチパネルも展示。ドイツのレムフェルデにあるBASF Polyurethanes(BASF ポリウレタン)社は、このサンドイッチ構造での使用に向けて、以前はぜい性(脆性)だったポリウレタン発泡体の特性を改良し、4点曲げ試験により、動的特性と耐衝撃強度が大きく改善されたことが証明されている。このポリウレタン成形発泡システムは、複雑な形状の発泡体をワンショット成形で製造することを可能にする。この新しい発泡体は、BASFのKerdyn(カーディン) PET(ポリエチレンテレフタレート)発泡体とともに、同社の発泡コアのポートフォリオを形成する。
 同社は、さまざまな同社製品を組み込んだ風力タービンローターの断面を同会でで初めて展示する。ガラス繊維はBaxxodur樹脂内に組み込まれており、これは真空注入での使用にとって理想的だ。Kerdyn PET構造用発泡体は、優れた機械特性を有し、ブレード内部に求められる安定性を提供する。ローター断面外側の仕上げ塗装には、RELEST(レリスト) Gelcoat システムが採用され、準構造用Elastan(エラスタン)ポリウレタン接着剤も使用されている。

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