旭化成ケミカルズ インドネシアでコンパウンド品を生産

2013年08月22日

ゴムタイムス社

 旭化成ケミカルズはこのほど、アジアにおける機能樹脂事業の強化の一環として、8月から自動車向けポリアミド66樹脂(商標:「レオナ」)コンパウンド品のインドネシアでの現地生産を開始したと発表した。
 インドネシアでの同品の現地生産は、樹脂メーカーとして初めて。なお、生産については、現地コンパウンドメーカーであるニッピサン・インドネシアへの委託生産となる。
 コンパウンド品とは、合成樹脂にガラス繊維や難燃剤などの添加材を混ぜて機能性を付与したもの。ポリアミド66樹脂の主な用途は、自動車、電気・電子部品、OA機器。耐熱性と耐油性に優れ、特にガラス繊維強化グレードは強度剛性が高いので、金属代替により需要が世界的に拡大している。
 同社は、機能樹脂事業をアジア拡大事業と位置付け、優れた技術開発力をベースに、リーディングポジションを獲得する戦略を推進している。特にコンパウンド事業は、世界4極体制を構築し、自動車用途を中心に事業拡大を進めている。
 一方、インドネシアでの自動車生産台数は、2012年の年産100万台が2016年には年産150万台に迫る勢いで拡大しており、今後、自動車用途のポリアミド66樹脂の需要も更に高まると見込まれている。
 同社では、これまでインドネシアでの同品の供給については、タイの現地法人である旭化成プラスティックス(タイランド)からの輸出で対応してきた。しかし、今後の需要拡大に伴い、日系の自動車部品メーカーを中心とした顧客のニーズに迅速に対応するため、8月から日本ピグメントとの合弁会社であるニッピサン・イン ドネシアでの生産委託を開始した。同社には、既に変性PPE樹脂(商標:「ザイロン」)等のコンパウンド品の生産委託をしている。
 委託開始時期は2013年8月。委託対象品種は、ガラス繊維強化グレード等自動車用途のポリアミド66樹脂。生産能力は、ポリアミド66樹脂分のみで年産4000トン。
〈ニッピサン・インドネシアの概要〉
▽社名=ニッピサン・インドネシア(P.T. NIPPISUN INDONESIA)
▽設立=1993年4月
▽事業内容=樹脂コンパウンド、樹脂用着色剤の製造及び設計・開発

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