日本ゴム工業会 理事会詳報 資材関係

2013年05月13日

ゴムタイムス社

 〈原油、ナフサの動向〉
 WTI、ドバイ原油並びにシンガポールナフサ価格の2011年1月以降2013年4月までの月間平均値の推移を示した。
 月間平均値で見ると、原油価格は3月以降、欧州の金融不安による景気減速、中国等の経済成長の鈍化傾向による需給の緩和観測等を背景に下落している。この結果、本年4月の月間平均値は、WTIが92・10ドル(前月比マイナス0・86ドル)、ドバイが102・47ドル(同マイナス3・25ドル)と2ヵ月連続の下落となった。なお、ドバイの下落幅が大きく、4月の両者の値差は10ドル程となり、縮小傾向にある。
 一方、ナフサ価格はアジア地域、特に中国での石化製品の需要停滞、欧州の景気減速や石化原料が安価なLPGにシフトしていることから需給は緩和しており、原油以上に下落している。国内価格も円安の影響はあるものの2月をピークに下落しており、第1四半期の国産ナフサ価格は、6万3000円前後と当初の予想より低水準となると見込まれる。
 なお、東京相場・天然ゴム価格の動向については、天然ゴムの東京相場の月間平均値の推移を見ると、中国を中心として需給の緩和傾向が続いている。国内の営業倉庫在庫も1月以降急増しており、3月末では1万6000トン近くまで増加し、東京相場も3月以降は下落に転じている。4月は、19日現在の平均値で、当限が250円(前月比マイナス19・1円)、先限が263円(同マイナス20・2円)、市中取引相場も260円(同マイナス19円)と続落している。
 〈日銀企業物価指数の動向〉
 主要原材料についてみると、前月に比べて合成ゴム(マイナス1・7%)、天然ゴム(マイナス1・0%)の2品目が下落している。一方で塩ビ樹脂(3・3%)、フタル酸系可塑剤(1・5%)、A重油(1・4%)、トルエン(0・2%)の4品目が上昇。
 1年前との比較では、天然ゴム(マイナス10・1%)、有機ゴム薬品(マイナス2・9%)、合成ゴム(マイナス1・4%)、カーボンブラック(マイナス0・4%)の4品目が下落したが、トルエン(15・7%)、フタル酸系可塑剤(10・2%)、C重油(7・7%)、塩ビ樹脂(6・0%)、A重油(1・7%)の5品目が上昇した。
 なお、昨年末からのナフサ価格の上昇に伴い、当初の想定ナフサ価格6万5000円で1次値上げ、更には、6万8000円前提で2次値上げが打ち出された。この結果、1次値上げについてはほぼ浸透したとみられているが、2次値上げについては、その後のナフサ価格の下落もあり需要側の抵抗は大きいが、供給側も1次の取りこぼし分や原油等ユーティリティ部分の上昇は未だカバーできていないとしており、膠着状態となっている。

ニューヨーク先物(WTI)、ドバイ東京原油スポット、シンガポールナフサ相場

国産ナフサ価格、東京オープンスペック価格(円/kl換算価格)の推移

アジアブタジエン(BD)市況とナフサ価格(東京オープンスペック)の推移

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