東洋ゴム工業 信木社長が経営体制の方針示す

2013年04月29日

ゴムタイムス社

 東洋ゴム工業の信木明社長は4月23日、新経営体制の方針について、都内の鉄鋼会館で記者会見を開いた。会見にはタイヤ事業本部長の山本卓司取締役常務執行役員、ダイバーテック事業本部長の新庄治宏取締役執行役員も出席し、両事業の注力テーマについても言及した。信木社長は中長期経営計画を軸に、企業力を高める「成長基盤」と「経営基盤」において、推進部会を設置して事業経営を推進、早期にビジョン20の足がかりとなる連結売上高5000億円を目指すを明言した。
 新経営体制の方針についての記者会見で冒頭、信木社長は「持続的かつ革新的に進化、成長できる企業を目指す」と明言、そのために従業員一人ひとりの質・活力・成長のベクトルを合わせ、企業力を高めることが重要だと示唆した。
 事業経営では成長基盤と経営基盤の区分で、成長基盤では①顧客基盤②コスト競争力③商品戦闘力④営業・マーケティング力⑤ブランド力、経営基盤では①人材基盤②業務基盤③戦略立案プロセスの各推進部会を設置して企業力を高めていく。
 「先進国から新興国まで、対応すべき市場、需要が拡大する中で、品質バリエーションの拡大、異なる消費者の購買力・水準から市場ごとにマッチするスペックの実現を図り、潮目の変化、時代スピードをキャッチ、企業資産を活用して競争力を高める」(信木社長)。
 業績目標については、中長期経営計画の推進により、13年12月期は連結売上高3600億円、営業利益220億円、営業利益率6・1%を予想、売上高、営業利益ともに過去最高となる見込み。また、早期に連結売上高5000億円の達成を目指し、20年度には連結売上高6000億円、営業利益率10%を目指す。
 なお、2015年の同社創立70周年を機に本社を伊丹市に移転することを発表した。「社内の一体感と機動力さらに高め、持続的・革新的成長を目指す」(信木社長)。
 タイヤ事業に関しては山本卓司取締役常務執行役員が将来展望について語った。「環太平洋の世界3極生産体制の強化を図り、生産力、販売力、商品力を総合的にボトムアップすることが注力テーマになる」。
 一方、ダイバーテック事業については新庄治宏取締役執行役員がグローバル展開への施策について述べた。「OA機器部品や自動車用防振ゴム、鉄道車両用部品など日本で評価されてきた品質、実績を成長事業であるアジアに展開、さらに収益構造強化を目的に事業再編を実施した」
 ダイバーテック事業の注力テーマについてはグローバルサプライヤーとしての地位確立、アセアン、中南米を見据え、最適なビジネス拡張を進め、事業のコア・リソースの価値を個々に高める施策を推進する。

事業方針を語る信木社長

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