横浜ゴムが試乗会を開催① 新商品の低燃費性などを実証

2013年04月02日

ゴムタイムス社

 横浜ゴムは3月22日、新商品試乗会を茨城県久慈郡のD―PARCで開催した。試乗会に先立ち、今回使用するタイヤの商品説明が行われた。
 冒頭、広報部の落合部長は「今回試乗するADVAN Sport V105は、V103に続く第二世代のタイヤで、非常に横浜らしいタイヤに仕上がっている。上質な走りを体感していただきたい。また、低燃費タイヤECOS ES31は、スタンダードな設定ではあるが、ワンランク上の性能を感じて欲しい」と挨拶した。
 D―PARCは、最大傾斜角41度のバンクをもつ高速楕円周回路をはじめ、国内最大級の円旋回路、世界各地の路面を20パターン以上用意した特殊試験路、山岳ワインディングロードを形にしたハンドリング路など、様々なコースを設けているテストコース。
 午前中に、ECOS ES31を使用して、転がり実験、WET制動実験を行った。
 転がり抵抗実験は、プリウスをスローブ角度8度の発射台にブレーキを踏んだニュートラルギアの状態で置き、ブレーキを離してどれぐらい転がるかを新商品ECOS ES31と従来品DNA ECOSを使用して行った。空気圧がフロント2・3、リア2・2の適正な数値になっていることを確認した後、まずはDNAECOSで2回、その後、タイヤを新商品ECOSES31に履き替え2回、計4回の実験を行った。
 DNAの1回目が75・70メートル、2回目が74・10メートルで、平均74・90メートル、ES31の1回目が85・80メートル、2回目が86・60メートルで、平均86・20メートルで、平均値で11・3メートル新商品ECOS ES31が転がる結果となった。全体として風の影響もなく1回目と2回目で大きな差はなかった。
 新商品はスロープから下る段階から転がりがスムーズな印象で、速度の落ち方も緩やかだった。止まる寸前にもう一転がり伸びるようなスムーズさを感じた。
 続いて行われたWET制動実験では、初速度80キロでWET路面に侵入し、そこからフルブレーキングをかけて、どこで止まるかを実験した。80キロに正確に速度を合わせるのは難しいため、誤差は補正をかけて計算した。従来品DNA ECOSの補正後の制動距離は1回目34・9メートル、2回目が34・1メートル、平均で34・5メートルとなった。新商品ECOS ES31の制動距離は、1回目で79・9メートル、2回目で29・5メートル、平均で30・0メートルとなった。新商品ECOSES31がWET路面での制動距離では平均値で4・5メートル短くなる結果となった。新商品はブレーキの効きも早く、停止寸前に力強く止まる印象を受けた。
 相反する転がり抵抗とWET制動距離を高次元でバランスさせていることを証明した結果となった。

転がり抵抗実験

転がり抵抗実験

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