日立電線 RBセラミックス配合で新しいゴム複合材を開発

2013年03月01日

ゴムタイムス社

 日立電線の連結子会社である東北ゴムは2月28日、仙台市産業振興事業団による支援により実現した東北大学大学院工学研究科堀切川研究室との共同研究により、ゴムにRBセラミックス(Rice Bran Ceramics、以下RBC)を高重量配合することで低い摩擦係数と高い耐摩耗性を併せ持った新しいゴム複合材を開発したと発表した。
 東北ゴムは、顧客の用途に合わせて様々な種類のゴムシートを開発・製造している。中でもフッ素樹脂素樹脂とゴムを一体成型した摩擦係数が低く滑りやすい「ネバラン」や、超高分子量ポリエチレンとゴムを一体成型した耐摩耗性に優れる「Z―1ライナー」は、安定した品質で高く評価されており、付着防止用シートとしてタンクや輸送管の内貼りや、各種建設機械で金属の表面を腐食や摩耗、汚染などから守るために表面に耐性を持つ材料を厚く被覆するライニングで採用されている。
 同社では、こうした実績を積み重ねる中、東北大学との共同研究によりゴムに硬質多孔性炭素材料RBCを高重量配合することで、低い摩擦係数と高い耐摩耗性を併せ持った新しいゴム複合材の開発に成功し、滑りやすく摩擦に対し擦り減り難い付着防止用シート等の提供が可能となったとしている。
 RBCは、同大学によって開発された脱脂した米ぬかを原料とする硬質多孔性炭素材料。軽量、低い摩擦係数、高い耐摩耗性などの優れた特性を持っており、無潤滑直動すべり軸受けや無潤滑ステンレスチェーンなどに採用されている。また、ゴムやウレタンに低重量配合(2~8wt%)することで水や油で濡れた面での摩擦係数を増加させる性質を持っており、耐滑靴底材料など幅広い分野で使用されている。
 開発した新しいゴム素材は、ゴムにRBCを高重量配合(50~60wt%)した画期的なゴム複合材。RBCが持つ低い摩擦係数、高い耐摩耗性の特性により、フッ素樹脂と同等の摩擦係数と超高分子量ポリエチレンと同等の耐摩耗性を兼ね備える。導電性にも優れるため、帯電しやすい粉末などの居付きを防ぐこともできる。さらに、一般的なゴム材と同様に、難燃性や抗菌性などを付加することも可能。
 今後、同社では、同開発で実現した新しいゴム複合材を使用した製品の用途拡大を積極的に推進することで、事業拡大に努めていくとしている。

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