【合成ゴム特集】原料価格高騰で値上げ圧力

2013年02月20日

ゴムタイムス社

S―SBR 海外プラント一斉稼働へ

EPDMも新設ラッシュ

 年初来からのナフサ、ブタジエン価格の高騰を受けて、合成ゴム各社が値上げの意向を固めている。

 日本ゴム工業会・資材委員会がまとめた原油、ナフサ等の素原料の動向によると、「ナフサ価格は原油価格に連れて上昇しているが、国産ナフサ価格は、12年10~12月は5万5500円前後と、再び上昇しており、更に1~3月は為替の円安傾向もあり6万円を上回る予想となっている。また、ブタジエンについても1月は若干だが上昇している」状況。

 こうした原材料動向の中、1~3月のナフサ価格上昇を理由としてポリエチレン、塩ビ、トルエンなどの石化製品での価格改定発表が相次いでいるが、合成ゴムについては三井化学が「エラストマー製品の主原料であるナフサの価格は、急激な円安の進行および韓国・台湾等アジア域内の旺盛な需要により、2013年第1四半期(1~3月)は62000円/klを超える水準が見込まれている」とし、2月1日納入分からEPDM(EPT)製品の値上げに踏み切っている。

 同様の環境下にある合成ゴム各社は、今後の原材料動向を注視しつつ、製品価格への転嫁を検討しており、近く相次ぎ値上げを発表する予定でいる。

 一方、足元の需要は若干緩んでいるものの、合成ゴム各社の生産体制は、低燃費タイヤ向けの溶液重合型S―SBR(ソリューションSBR)、BRはじめ、自動車用ゴム部品を中心とするEPDM各社の新設プラント、能力増強が相次いで実施されている。

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