住友化学 千葉工場の石油化学事業を再構築

2013年02月04日

ゴムタイムス社

 住友化学は国内石油化学事業の拠点である千葉工場(千葉県市原市)の競争力を強化するため、次の定期修理時期である2015年9月までに、エチレン製造設備を停止すると2月1日発表した。 エチレン製造設備停止後のエチレンなどの石油化学基礎原料は、京葉エチレン㈱(丸善石油化学㈱、三井化学㈱、住友化学の合弁会社。以下、「京葉エチレン」)からの調達量を増加させることにより、必要量を賄う予定。 近年、わが国の石油化学産業は、内需の減少や輸入品の増加などから厳しい事業環境が続いており、その基調は今後も大きく変化することはないと見込まれる。こうした中で、住友化学の石油化学事業を強化・維持していくためには、製品の高付加価値化やコスト削減を一段と進めていく必要がある。
 住友化学のエチレン製造設備は、操業を開始してから40年以上が経過しており、エネルギー効率や維持・補修費用の面で競争力を失いつつある。さらにここ数年は、一部の汎用誘導品において、国内需要の減少が顕在化してきた。こうした設備の老朽化や内需構造の変化を踏まえ、同社はこれまで千葉工場の最適化について種々検討してきたが、「エチレンなど基礎原料」については、次の定期修理の時期までに、自社での生産を停止し、国内で最も新しく大型の設備である「京葉エチレン」からの調達に一本化することが最善と判断したもの。なお、「京葉エチレン」からの「エチレンなど基礎原料」の調達量の増加については、同社の引取枠を増やすことで、丸善石油化学㈱ならびに三井化学㈱と原則合意している。
 エチレン製造設備停止により、「エチレンなど基礎原料」の調達の効率化が実現されるとともに、関連する付帯設備の合理化による固定費削減を図ることができるとしている。さらに、今後、一部の誘導品の製造設備についても、停止を含めた最適化の検討を行っていく方針。住友化学は、今後進めていく一連の千葉工場の再構築とともに、サウジアラビアやシンガポールの生産拠点も含めた、石油化学事業全体の強化を図っていく考え。
 なお、業績への影響については現在算定中。

【住友化学 千葉工場 エチレン製造設備の概要】
 操業開始年月  1970年1月
 エチレン生産能力 415千t/年(非定期修理年ベース)

【「京葉エチレン」の概要】(2013年1月末現在)
 社名 京葉エチレン株式会社
 資本金 6、000百万円
 出資比率 丸善石油化学55%、三井化学22・5%、住友化学22・5%
 設立年月 1991年 9月
 操業開始年月 1994年12月
 エチレン生産能力 768千t/年(非定期修理年ベース)

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