JSR リチウムイオン開発強化で研究棟増設

2013年01月28日

ゴムタイムス社

 JSRは1月21日、リチウムイオンキャパシタの事業会社JM エナジーにおける研究開発機能の強化のため、研究棟を増設することを決定した。研究棟の増設と評価装置などの導入に関する総投資額は約8億円。2013年6月の完成を予定している。

 JM エナジーはリチウムイオンキャパシタULTIMOシリーズにより、蓄電デバイスを活用したエネルギー効率化への多様な解決策を提案し採用実績を積んできたが、昨今の拡大する顧客ニーズへ迅速に対応するため、研究開発・評価体制を強化する。
 今回研究棟を増設し充放電装置や分析・解析装置など各種評価機器を充実させることで、より一層の低抵抗化、エネルギー密度の向上に向けた開発を促進していく。
 リチウムイオンキャパシタは蓄電デバイスである大容量キャパシタの一種で、高出力密度、高エネルギー密度、高電圧という特徴を有し、キャパシタの応用範囲を拡大する。特に、JM エナジーのリチウムイオンキャパシタULTIMO®は、超低抵抗タイプで、電気二重層キャパシタと同等以上のサイクル特性(100万回超)を有している。
 JMエナジーでは、ULTIMOシリーズとして、軽量薄型のラミネートタイプ、堅牢性に優れた扁平角缶型タイプのリチウムイオンキャパシタをラインアップし、低電圧・据置型の産業機械から高電圧・移動体用途に至る幅広い技術開発及びマーケティングを行い、採用の実績を積んできた。
 同社は、今後も世界全体での省エネルギー、環境対応が求められる中、非常に幅広い応用分野において、急速充放電、エネルギー回生、ピークアシスト、電力平準化などの機能の飛躍的向上に貢献し、エネルギー効率化への多様な解決策を提供していくとしている。
〈JM エナジー増設研究棟の概要〉
▽構造=鉄骨構造、3階建て
▽延床面積=3,517㎡
▽着工=2013年2月

研究開発棟完成予想図

▽竣工=2013年6月
▽投資額=約8億円(設置する評価機器の費用を含む)

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