帝人化成 ポリカーボネート樹脂シートを新開発 難燃性と透明性を両立

2013年01月18日

ゴムタイムス社

 帝人化成は18日、急拡大が続くLED照明市場に向けて、世界最高レベルの難燃性と透明性を両立させたポリカーボネー卜樹脂シート「パンライト®シートPC―4C81/PC―4BB1」を開発したと発表した。
 LED照明市場は、昨今の節電対策を背景に、住宅やオフィスを中心に急拡大しており、中でも、シーリングライトへの採用が急速に広がっている。LED照明のカバー素材としては、ガラスやアクリル樹脂が採用されることが一般的だが、ガラスは衝撃に弱く割れやすい、アクリル樹脂は着火すると燃え広がりやすいなどの課題があった。これらに加えて、近年はLED照明の高出力化・高輝度化が著しいため、透明性だけでなく、高い耐衝撃性や難燃性、耐熱性を有する安全性が高いカバー素材が求められている。
 同社ではこれまでも、蛍光灯代替として使われる直管タイプのLED照明に適した「パンライト® ML―6100」をはじめ、さまざまなLED照明カバー用素材を開発・販売しているが、このたび開発した「パンライト®シートPC―4C81/PC―4BB1」は分子レベルでの組成改良を施すことで、従来は困難とされていた薄さ1・5mmのシートにおける難燃性(UL94 V―0相当)と透明性の両立を実現している。また、シーリングタイプのLED照明カバーとして求められる高い光線透過率と適度な光拡散性、高い成形性を有する。環境や健康への悪影響が懸念されるブロム系やリン系の難燃剤を使用していないため、環境負荷も低減できる。
 今後はこれらの特性を活かし、シーリングタイプのLED照明カバーを中心に、エッジ型LEDバックライトの導光板材料や液晶ディスプレイの前面板など、各種光学用途に市場展開を進め、2016年度には「パンライト®シート」全体で40億円の売上高を目指す。また、高度化する顧客ニーズに対するソリューションとなる高付加価値製品の開発や用途展開をさらに強化・拡大することで、LED照明用途全体で300億円の売上高を期待している。

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