新春TOPインタビュー 明治ゴム化成

2013年01月09日

ゴムタイムス社

 国内自動車事業再編で生産効率化 印刷機材 3極で生産分業を強化

 1900年の創業以来、ゴム及びプラスチック製品のパイオニアとして、蓄積した技術とたゆまぬ開発改良研究によって、時代のニーズに応えた製品を数多く提供する明治ゴム化成。岩崎社長に中期3ヵ年経営計画の進捗状況、今後の事業戦略を聞いた。

 ―12年を振り返って。
 岩崎社長 端的にいうと上期連結業績は黒字を確保することができたが減収減益となった。経営環境は円高、欧州経済の悪化、新興国の減速など非常に難しい上期であった。当社の売上の半分が自動車用関連事業であるが、この事業については前年同期の実績を上回ったものの、計画に対しては未達であった。第1四半期までは好調に推移したが、第2四半期は国内エコカー補助金の終了の影響を受けたほか、インドネシアで2輪用部品の生産が落ち込んだ。国内は合成樹脂、製鉄・製紙向けのロールが引き続き低迷したが、産業用ホースは堅調に推移している。印刷機材は欧州向けに輸出しているが、単価ベースでは廉価製品にシフトしており売上高は落ち込んでいる状況だ。
 下期は連結でみると、上期並みの利益を確保すべく諸施策を講じている。単体で上期は赤字となったが、上期からの各種施策が下期につながってくるので黒字転換が図られるだろう。通期業績見通しは売上高は189億円、営業利益は7億7000万円、経常利益6億1000万円の減収減益を計画しているが、減益の度合いを取り戻していく。

 ―各部門の事業戦略は。
 岩崎社長 基本的には既存事業の選択と集中を図りながら新製品開発に注力していくが、落ち込みの大きかった印刷機材(ブランケット)では、中国、ハンガリー、日本の3拠点を有する私どもの強みを生かし、中国、ハンガリーでは合理化などによる生産能力の増強を進めており、日本で生産していた一部を現地生産にシフトし、合わせて現地調達を促進していくなど3拠点での最適分業化を図り、地域的な戦略製品を開発投入する。
 自動車部品事業では国内の事業再編を進めており、2013年4月1日付で子会社の栄ゴム工業をメイジフローシステムに統合し、生産の効率化を図っていく。また、海外では中国山東省の合弁会社「明治(青島)橡塑制品有限公司」の出資比率を45%から90%へ引き上げ、連結子会社とし、日系及び欧米系のカーメーカーを中心に拡販をしていこうとことで、拠点の強化を図った。また、三菱商事とのJVのオイルブレーキホースを生産するフレキシテックHDとの協業を強化していく。フレキシテックはヨーロッパ、北米、南米に拠点を有し、当社はアジアに数拠点を持ち、補完関係を維持しながら、グローバルに販売を伸ばしていく。米国市場にはフレキシテックHDを介し、ホースを輸出しており、ビッグスリーへの納入も拡大、北米、南米でも需要が増加している。
 工業用品事業ではエレベーター、エスカレータの昇降機ローラーの拡販を図るため、中国・深圳の子会社「明治ラバー深圳」に今上期に新規設備を導入し、生産能力の増強を図った。昇降機ローラーの市場は日系メーカーが中国に進出しており、中国国内での需要も大きく、今後はラインアップを増やし中国ローカル向けに拡販を進め、深圳で生産したものを日本へ持ってくるアウトインでも売上を拡大していく。また、合成樹脂部門では汎用市場向けの新製品を投入しており、事業拡大を図っていく。

関連キーワード: