十人十色の事業承継 第2回

2013年02月04日

ゴムタイムス社

親族に対しての事業承継感情編

 

 2013年もあっという間に1ヶ月が経ってしまいましたが皆様お元気でご活躍のことと存じます。

 さて、一月号で予告をした事業承継の場合の中で、「事業承継者が親族の場合」の事から書きたいと思います。事業承継者が親族の場合とは子供・甥・兄弟等としておりますが、ここでは話を解りやすくするために、承継者と表示いたします。

 また前号で、私たちが事業承継を成功に導いた主軸として「感情と勘定」が必要と書きましたので、先ずは感情についてお話し致します。

 多くの社長は長男を承継者にと考えますが、今までの体験からからして必ずしも長男に限る必要は有りません。承継者が複数の場合でも、一人しかいない場合でも「〇〇に承継してほしい」という社長の感情を先ずは一回リセットし、その方が承継者として本当にベストかを考えてください。

 私の経験から承継者を決める要素として、次の性格が重要だと考えます。

 素直で有る事、正直な事、マナーが良い事、慎重である事、売上や経費等の数字に対してアレルギーを持っていない事、余りにもアバウトでは無い事、人に対して興味を持っている事、身だしなみが良い事(お洒落という意味では有りません)、ある程度臆病な事です。

 以上になりますが、このような性格を全て持っている承継者はまずいないと思います。

 そこで、社長は承継候補者(複数いる場合は全員)に対し、帝王学(古い言葉ですが)を教え、経営者として上記の性格を身につける教育をする必要があります。その中で、素直である事、数字に対してのアレルギーを持っていない事・ある程度臆病な事の3つ性格は必須となります。

 なぜならば、私が見てきた中で世の中の成功している経営者は、見かけは違っていてもこの3要素は必ず持っているからです。

 この3要素以外はすべて備わらなくても特に問題はありません。この3つ以外は、俗に言う右腕と言う存在を作り、その方に任せれば良いのです。

 社長はこの教育を行い再度誰に承継者になってほしいかを考えてください。そして、社長はこれぞと言う承継者が出てきたら、真っ先に次期経営者に決め本人に自覚を持たせ、次期経営者としての覚悟をさせる事です。そうは言っても、社長にも情というものがありますので、全て完璧ではなくても先程も言いましたように、次期社長の右腕を作り、足りない部分を補うよう努めてください。

 事業承継者を教育するのは時間があれば有るだけ成功の確率が高くなります、また、人の性格と言うのは歳を取れば取る程なかなか直せなく為りますので、承継者候補が30代、40代、遅くても50代前半になる迄にははじめて下さい。

 もし、社長自身が教育する暇が無いとか教育する自信が無いと言うのであれば、我々の様な専門家に任せるのがベストです。

 紙面が足りなくなりましたので、次回は勘定(Accounting)について書きたいと思います。

 

LLP千代田コンサルティングファーム

CPA・CFP・会社法務士 代表 山本 眞

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