ブリヂストン 横浜工場の免震構造ラインを公開

2013年01月07日

ゴムタイムス社

ブリヂストンは12年12月19日、同社横浜工場で報道陣向けに免震ゴムの製造ラインおよび試験設備の公開を行った。

 横浜工場の見学会で、ピット、32MN試験機、9工場(20MN試験機、10MN試験機等もある免震製造ラインの工場)の順で公開された。免震構造ラインがある9工場はすでに金属接着処理工程が行われた製品が運ばれ、ゴム打抜き・秤量工程、成型工程、加硫工程、検査工程の順で免震ゴムが製造されている。製造工程が公開された同工場・化工品技術センター(KTC)には免震ゴムを用いた免震構造になっており、建物の地下には免震ゴムが配置された32本の柱が設置されている。また化工品試験・開発センター(KRC)は中間免震構造(1階と2階の間に免震ゴムを設置)になっている。
 同工場の見学会が終了後、同工場のKRC防災団室で同社の太田雅巳インフラ資材販売推進部インフラ資材販売企画課長が免震ゴムの紹介と取り組みについてプロジェクターを使用して解説を行った。
 太田課長によると、昨年の東日本大震災の際にも免震ゴムが地面からの揺れを受けることで建物の揺れを抑制するという免震構造のメリットでガラスが割れることや壁が剥がれることもなかったという。また太田課長は建造物の地震対策には「耐震」「制震」「免震」の3つがあり、その違いなどを動画で説明し、実証された免震構造の効果も解説した。
 免震建物の現況は日本では約30年経過し、採用物件は全国で3000棟を超え、免震建物も重要建物から一般建物まで幅広く採用。免震建物は技術難易度の高い建物にも採用が拡大し、東京・名古屋・大阪の大都市圏から全国へ普及している。
 そこで同社の免震に対する取り組みは1980年に開始し、1984年から免震ゴムの販売を開始した。免震ゴムが納入された建物は学校・庁舎をはじめ、病院、防災施設、歴史的建造物、高層ビルから戸建住宅等までいたり、同社の納入実績(1983年~2012年11月)は納入件数が1300件以上、納入基数が36000基以上に及んでいる。最近の具体的な建造物として、12年10月1日に完成したJR東日本「東京駅丸の内駅舎保存・復原工事」には免震ゴム352基が納入された。また同社が扱う免震ゴム製品は「高減衰ゴム系積層ゴム」、「天然ゴム系積層ゴム」、「鉛プラグ挿入型積層ゴム/鉄粉・ゴム混合材プラグ挿入型積層ゴム」、「弾性すべり支承」等すべての免震用積層ゴムをラインアップしているので、用途に応じた対応ができるという。
 今後も同社は免震ゴムの啓蒙活動を積極的に行いながら、免震ゴムの販売、技術開発を推し進めていく。

 

 

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