新春TOPインタビュー 横浜ゴム

2013年01月08日

ゴムタイムス社

インド工場設立 フェーズⅢで2000万本増強目指す

高付加価値商品をグローバル展開強化
 MB事業の海外比率50%に引き上げへ

 -今年を振り返って
 2012年の米国経済は、個人消費が緩やかに増加し回復基調が続きましたが、2013年に予測される「財政の崖」を巡る先行き不透明感から、設備投資や生産に勢いが見られなかった。
 欧州経済はギリシャの債務問題の悪影響が波及し緩やかな後退が続いた。 また中国経済も欧州向け輸出の落ち込みなどにより、成長ペース減速の度合いが強まった。
 一方、日本経済は上期は復興関連需要などにより堅調に推移したが、下期に入り海外経済の減速、中国での不買運動などにより景気は弱含みで推移した。
 こうした中、タイヤ事業は国内新車用が好調な自動車販売により売上を伸ばしたが、市販用は、上期は堅調に推移したものの、下期に入って復興需要の反動やエコカー補助金の終了で販売が伸び悩んだ。海外販売は年間を通じて弱含みで推移した。
 一方MB事業ではホース配管、自動車用シーリング材などが好調に推移。 こうした中、2012年度決算については売上高、利益共に過去最高を見込んでいる。これは、将来に向けて必要な利益を確保したいという事業活動を進めてきた結果だと考えている。今後も当社の企業風土となっているムダ取り活動など、更なる内部改善を継続して原価の低減などにこだわっていきたい。

 -GD100について
 当社は2012年度から、「グランドデザイン(GD)100」の「フェーズⅢ」をスタートさせた。GD100は2006年から3年間をⅠフェーズとして取り組んでいる。フェーズⅢでは2012年から2014年の3年間の累計で売上高1兆8千億円、営業利益1千500億円を目標としている。本年はフェーズⅢ初年度として様々な施策に取り組んだ。
 タイヤ成長戦略として「大規模投資による供給能力の増強」「高付加価値商品のグローバル展開」を掲げている。
 供給能力の増強では、2011年末より稼動したロシア乗用車用タイヤ工場の開所式を5月に開催、また3月には、インドでの乗用車用タイヤ工場建設計画を発表した。同工場は2014年度の操業開始を目指す。
 一方、高付加価値商品のグローバル展開も着実に進め、新商品としてウェット性能に優れた低燃費タイヤ「ブルーアース・エース」、低燃費性能を高めたSUV用タイヤ「ジオランダーSUV」、当社歴代最高性能を自負するスタッドレスタイヤ「アイスガード・ファイブ」を発売した。 また8月には中国のORラジアルタイヤ専門メーカーとの間で、同社への技術供与と同社でのOEM生産について合意した。
 MB成長戦略では、「3つのコア技術からナンバーワンを目指す」「新規技術によるビジネスチャンスの創出と拡大」を掲げている。2012年も、グローバルな成長性を秘めた通信、電子、電気分野向けに「フイルム用ハードコート材」「リチウム電池パック向け接着剤」を発売した。またゴルフ事業では、9月から新商品「iD nabla」シリーズの販売を開始した。
 「CSRへの取り組み」では、4月岩手県大槌町で「千年の杜植樹会」を開催した。津波で大きな被害を受けた東北地方太平洋沿岸300キロに渡って、がれきを利用した森の防潮堤をつくるプロジェクトの、モデル植樹として行ったもの。 また5月には、「国連グローバル・コンパクト」に署名し、当社がCSRに取り組む決意と姿勢を世界に表明した。

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