東海ゴム メキシコに防振ゴム製造拠点を設立

2012年12月21日

ゴムタイムス社

 東海ゴム工業は21日、ドイツに本社を置く自動車用防振ゴムメーカー、Anvisグループとメキシコで合弁契約を結び、新会社を設立したと発表した。
 新合弁会社の名称はTokai Rubber de México, S.A.P.I. de C.V.。
 同社はメキシコで2001年より自動車用ホースを生産しているが、自動車用防振ゴムの製造拠点を置くのは初。
 メキシコでは現地だけでなく、北米や南米諸国の市場拡大に伴い、日系や欧米系の自動車メーカーが相次いで増産に踏み切るなど、シェア獲得競争を激化させている。日系メーカーは価格競争力を高めるため現地生産を強化しており、現地での部品調達を積極的に進める方針を掲げている。
 同社はこうした動きに対応するため、メキシコでの自動車用防振ゴムの製造拠点設立を検討してきた。今回、日系メーカーの工場にアクセスのよいメキシコ中部ケレタロ州に拠点を持つAnvisグループの現地法人、Anvisgroup México, S.A. de C.V.と協業することでメキシコでの事業基盤強化につなげるため、合弁会社の設立を決定した。今回の合弁開始により、両社の技術やノウハウ、その他の資産を活用することで、今までになしえなかった、高品質で低価格な製品を提供することができるとしている。新会社は、Anvisgroup Méxicoの敷地の一部を借りて新工場を建設し、2013年10月に生産を開始する予定。
 今回の合弁契約締結を機に、同社グループはAnvisgroup Méxicoの全株式の49%を取得するとともに、Anvisグループは新合弁会社に49%出資する。両社は互いに出資し合うことで、よりスピーディーかつ効率的な製品供給を進めていく方針。
 同社グループは中期経営計画「2015年TRI GROUP VISION」で、新興国をはじめ海外での製品供給体制の強化を重要な経営戦略と位置づけている。今回の合弁会社設立を足がかりに、近隣国を含めた自動車市場の拡大を見込めるメキシコでの製品供給体制を強化していく。
〈合弁会社の概要〉
▽所在地=メキシコケレタロ州エル・マルケスベルナルド・キンタナ工業団地(Anvisgroup México敷地内)
▽生産品目=自動車用防振ゴムおよび構成部品
▽工場着工=2012年12月
▽工場完成=2013年7月(予定)
▽資本金=600万ユーロ(6億円)
▽出資比率=東海ゴム工業グループ51%(東海ゴム工業46%、TRI―USA5%)、Anvis Netherlands B.V.49%
▽投資額=約5億円(工場建屋・生産設備・原動機類など)
▽代表者=松岡勉社長(執行役員防振事業部長)
▽社長工場面積=敷地約4200㎡、建屋延べ約4000㎡
▽生産能力=約44億円
▽売上計画=約16億円(2015年度見込み)
▽従業員数=約200名(2015年度見込み)

調印式で記念写真に納まる西村社長(左)とOlaf Hahn CEO

調印式で記念写真に納まる西村社長(左)とOlaf Hahn CEO

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