【TPE特集】 三菱化学 高機能性樹脂 グローバルに需要拡大

2012年12月12日

ゴムタイムス社

高機能性樹脂 グローバルに需要拡大 米の子会社、第2工場が稼動

三菱化学

 「サーモラン」米、中国で能力増強完了 新興国での新工場建設も視野
 三菱化学㈱は機能性樹脂事業の北米での合弁相手先であるA.Schulman社(ASI社)から、その合弁事業である塩ビコンパウンド事業およびASI社Bellevue工場を完全子会社である「三菱ケミカルパフォーマンスポリマーズ」(MCPP)を通じて買取り、MCPP社第2工場として2012年12月から運営を開始した。 
 同社では塩ビコンパウンド事業およびその工場の買収を契機に、北米における機能性樹脂のトータルソリューションの提供機能を強化し、機能性樹脂事業の更なる発展を図って行く方針。
 このほか塩ビ系エラストマーでは、タイ及び周辺諸国において自動車用途を中心に需要が拡大しているのに対応、タイの子会社「サンプレーンタイランド社」のアマタナコン工場内の生産能力を4000トン増強し、本年4月に年産1万9000トン体制にまでに拡大した。
 同社機能性樹脂事業部ではグローバル展開の更なる加速に向け、中国及び米国においてオレフィン系熱可塑性エラストマー「サーモラン」 及び接着性樹脂の製造設備の増強を進めており、米国では2011年11月に米国子会社MCPP社第1工場の現行生産能力を1800トン増強し1万1000トン体制としたほか、中国では「サーモラン」の新プラント(年産4500㌧)「愛普科精細化工(蘇州)有限公司(アプコ精細化工(蘇州)有限公司)が本年5月に完工、欧州での生産委託量も順調に拡大しており、グローバルな供給体制の構築に取り組んでいる。
 機能性樹脂事業部が注力するオレフィン系熱可塑性エラストマーは、主にエアバッグカバーなどの自動車部材の原材料として使用され、三菱ケミカルホールディングスの中期経営計画において成長事業と位置づけられており、今後特に成長する自動車、医療分野では、新興国においても事業拡大を図っており、日本、欧州、北米、中国を含めた4極に加え、さらなるグローバルな需要増に対応するため新興国での「サーモラン」の新プラント建設も視野に入れ、具体的な検討に入った。
 足元の需給動向についてはオレフィン系「サーモラン」は上期の自動車生産の活発化で販売数量、金額ともに予算を上回る好調推移したほか、米国市場でも米ビッグスリーの生産が活発でフル生産が続いているという。
 欧州でも欧州自動車メーカーでの採用が本格化し、2015年度には12年度対比倍増の販売を見込んでいる。稼動を開始した中国工場では反日暴動の影響による日系カーメーカーの減産が今後、懸念されるとしている。
 自動車、食品、医療の3分野が中心となるスチレン系「ラバロン」、医療用中心のリアクターTPO「ゼラス」はともに前年同期並み。ポリエステル系エラストマー「プリマロイ」は電子機器向けが苦戦しマイナス、難燃グレードのオレフィン系「オレフィスタ」は新規用途開発を積極展開している。
 塩ビ系エラストマー「サンプレーン」等の各種機能性樹脂製品はインフラ系の需要が振るわないが、自動車用途分野向けは好調推移しているという。今年から能増を図ったタイ工場もほぼ計画通りに推移している。

(2012年12月10日紙面掲載)