東洋ゴム NANOENERGY3で説明会 ボリュームゾーンで主力狙う

2012年11月26日

ゴムタイムス社

 東洋ゴム工業は20日、低燃費タイヤナノエナジーの新商品「NANOENERGY 3」の商品説明会を都内で行った。
 同製品はナノエナジー1、2、0に引き続き、11月14日に発売された、「AAA」グレード製品以外では初めての「Nano Balance Technology」の採用となる、転がり抵抗性能「A」/ウェットグリップ性能「c」グレードの低燃費タイヤ。
 説明会では、同社の低燃費タイヤの取組みと今後の展開について、福富秀典取締役常務執行役員日本ビジネスユニット長が解説した。
 ナノエナジーシリーズは、2月に日本初の最高グレード「AAA―b」の低燃費タイヤ ナノエナジー1を発売。続いて、6月に摩耗性能を重視した「AAA―c」の低燃費タイヤ ナノエナジー2を10サイズで発売。 引き続き、7月にはシリーズフラッグシップモデルとなる低燃費タイヤ「AAA―a」のナノエナジー0を発売してきた。
 今回発売するナノエナジー3は、汎用製品としての位置づけで「低燃費タイヤの市場で当社の商品を拡大させる、量を売る」(福富氏)製品となる。
 同製品発売により、転がり抵抗性能「AAA」グレードにおいて、業界で唯一、ウェットグリップ性能「a」「b」「c」の3グレードを揃えるシリーズとなった。
 今後の市場展開について福富氏は、「ナノエナジー0からハイスペックの1、2、ボリュームゾーンとなる3を取り揃えることにより、豊富な商品ラインナップを用意することができた。今後は市場毎のニーズを見極め、最適な市場展開を進めていきたい」と述べた。
 また、海外にも積極的に供給していく予定で、13年に欧州を手始めにグローバル展開していく。
 商品説明については、タイヤ技術第一部の川上和紀氏が担当した。
 新商品は「しっかり、長持ち、新スタンダード低燃費タイヤ」のコンセプトを元に開発が進められた。
 商品特長としては、ラべリング制度「A―c」のスタンダードゾーンを全サイズで確保、従来商品に対して耐摩耗性を向上、しっかりした走行安定性、快適な静粛性の4つが上げられる。
 トレッドコンパウンドに、シリカとシリカと結ぶアクティブポリマーを増量することにより、摩耗性能と転がり抵抗低減の両立を実現。また、シリカを従来より増量し、グリップポリマーを配合することにより、転がり抵抗の低減と高いウエットグリップ性能を両立させた。
 パターン設計は、設置幅をワイドにすることにより、転がり抵抗を低減、またパターン全ての領域で高剛性リブパターンを採用することにより、制動性能向上、摩耗ライフ向上を図った。ロングラテラル3Dマルチサイプの採用により、パターンノイズの低減、ワイドグルーブ、サイレントウォールの採用により、排水性を向上させている。
 構造設計では、高硬度プライトッピングと高硬度ハイフィラーを採用し、重量増加を抑えつつ高剛性化した構造により、しっかりとした走行安定性も実現させた。
 従来商品「TEOPlus」との比較で、転がり性能19%低減、摩耗性能で6%向上させるなど、スタンダードタイヤに十分な低燃費性能と耐摩耗性能を両立させている。
 サイズは扁平率45~90シリーズ、全46サイズのフルラインナップを揃えている。
 山崎豊隆トーヨータイヤジャパン社長は、国内販売について「新製品はトータルバランスに優れた真のエコタイヤ、次世代の低燃費スタンダードタイヤと位置づけ、低燃費タイヤを知らない顧客にトータルバランス性能の価値を伝えていきたい」と述べた。
 また、今後の展開については「ブランドの浸透と低燃費タイヤの競争の中で一定のポジションを確立していきたい。13~15インチの3サイズで夏タイヤの需要の70%を占める。その分野で主力商品になりたい、東洋の夏タイヤを担う主力ブランドとして育てていきたい」と述べた。

 

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