上場ゴム企業の中間連結 増収7割も収益は明暗分かれる

2012年11月19日

ゴムタイムス社

 3月期決算企業の第2四半期連結業績が発表された。合成ゴム2社を含む24社の決算内容は、6割強の16社が増収ながら、収益面は増益12社、減益10社と明暗が分かれた。欧州や中国市場などが回復せず、秋口には急速に需要が減退、その影響を強く受けた企業が目立った。通期の業績予想は収益の下方修正が相次ぎ、先行き不透明感が強まっている。
 合成ゴム大手2社(JSR、日本ゼオン)を含む24社合計の売上高は1兆3553億2400万円となり、同一企業との前年同期対比では11・7%増、営業利益は898億4800万円、同16・8%増、経常利益は931億5500万円、同15・6%増、四半期純利益は570億8300万円、同21・4%増と売上高、収益とも2ケタ増となった。
 今期の業績の特徴は、売上高の増減と利益の増減が一致しない点。総合計では増収増益となったが、業績の内訳は「増収増益」企業が12社、「増収減益」6社、「減収増益」1社、「減収減益」5社となり、売上高は7割強(24社中18社)が増収ながら、収益面は増益が13社、減益は11社と明暗が分かれた。
 この要因は、震災を教訓に耐震強化策、さらに生産拠点における自家発電設備の導入などエネルギーコスト上昇などが考えられる。こうしたことにより、売上高原価および販管費が上昇、収益率悪化を招いたものと予想される。
 12社の増収増益企業の中で、売上高の伸長率をみると豊田合成(38・4%増)、西川ゴム工業(21・8%増)、櫻護謨(17・9%増)、東海ゴム工業(17・2%増)、フコク(13・2%増)が2ケタ増となった。一方、経常利益では西川ゴム工業(339・9%増)、日東化工(209・3%増)、朝日ラバー(68・9%増)、相模ゴム工業(60・8%増)、オカモト(23・2%増)、バンドー化学(21・8%増)が2割強の増益を確保した。
 現在の市場環境は、世界規模での景気低迷を背景に厳しい経済環境となっており、とくに中国市場の回復の遅れが懸念され、業績予想を下方修正する企業が相次いでいる。
 通期の連結業績予想については、24社合計で売上高は2兆7225億4000万円、前期比5・6%増と伸びが見込まれているが、営業利益は1685億700万円、同0・7%減、経常利益は1759億5500万円、同5・4%減、当期純利益は1071億500万円、同3・1%増となっている。

関連キーワード:

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー