金星ゴム工業 低アウトガスフッ素ゴム、新ビーナスフロン

2012年11月20日

ゴムタイムス社

新ビーナスフロンを販売開始 アウトガス発生率の抑制を向上

金星ゴム工業

 金星ゴム工業(杉本浩志社長)はフッ素ゴム、シリコーンゴムのOリングパッキン、ゴムチューブの製造や押出の加工をしている。
 同社の昨年業績は「全体的には昨年は順調に推移した。フッ素ゴムの出荷量では、どうしても半導体産業の落ち込みで影響は受けたものの、リーマンショック前から比較すると、85%程度は回復はしている。今期は半導体業界の影響で先行き不透明感があるが、お客様のニーズを掘りおこして対応していきたい」(杉本社長)。
 今期に同社が注力するのは導電性フッ素ゴム、導電性フッ素ゴムスポンジ、低アウトガスフッ素ゴムの「ビーナスフロン」。
 導電性フッ素ゴムや導電性フッ素ゴムスポンジの特長は静電気がおきず、空気中の不純物を付着させない点。製品の途例は半導体製造装置、クリーンルーム内の機械部品用パッキン、シール等に使用される。
 「フッ素ゴム押出製品に導電性を付与するこができることは他社ではできない弊社の強みのひとつ。また導電性フッ素ゴムスポンジを従来よりも柔らかくできるように現在、開発をしている。」(杉本社長)
 また今年からビーナスフロンは独自の開発で新しく生まれ変わった。従来のビーナスフロンと比較するとさらにアウトガスが少なく、特に高温でのガス発生率を極限まで抑えることを可能にした。この結果、半導体関連やクリーンルーム等のすべての分野で使用でき、通常のフッ素ゴムと全く同じでフッ素ゴムが適するすべての分野で押出成形品、金型成形品として幅広く使用できる。
 「新しくなったビーナスフロンはさらに低アウトガスを実現し不良率低減に貢献するので、多くのお客様に広めていきたい。需要動向として、弊社が扱う耐熱性、耐薬品性に優れたパーフロロゴムの需要も今後伸びていくのではないか」(杉本社長)。
 同社が得意とする分野は押出製品の製造。特に高付加価値、高品質のゴム製品の製作に力を入れ、フッ素ゴム、シリコンゴムなど少量の押出成型とその接着加工技術を得意とする。具体的には、フッ素ゴムの押出製品は従来75~80度の押出が一般的だが、同社は55~90度の低硬度の押出製品の製造にも対応でき、ユーザーのあらゆるニーズに対応できる体制が整っている。
 同社は今後も60数年のゴムづくりのノウハウと人の和を活かして、より高品質なゴム製品を製造し、社会に貢献していく。

(2012年11月19日紙面掲載)

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