日本ゼオン エラストマー素材事業は減収減益に

2012年11月12日

ゴムタイムス社

 日本ゼオンは7日、2013年3月期中間連結決算を発表した。売上高は1272億400万円、前年中間期比5・1%減と減収となり、営業利益は114億4200万円、同46・2%減、経常利益103億2100万円、同47・8%減で減収減益となった。四半期純利益は55億5000万円、同54・6%減。

 売上の増減要因は減益要因が数量差で72億円、為替で18億円だったが、増益要因が価格差で21億円となり、差引き69億円の減収となった。また営業利益98億円の減益要因は数量差で38億円、為替で18億円、原料・原価で61億円、本社費等で13億円だったが、増益要因の販売価格の是正で21億円、コストダウンで11億円ではまかないきれずに大幅な減益となった。
 セグメント別では、エラストマー素材事業部門の全体の販売数量は前年比7・4%減の25万㌧。分野別でみると、合成ゴムの販売は国内自動車生産が期間を通じて堅調に推移したことや、主要用途であるタイヤの堅調な需要によるプラス効果はあったものの、世界経済減速の影響や海外市況の低下などの影響が大きく、売上高、営業利益ともに前年同期を下回った。また合成ラテックスの販売は製紙向け、樹脂改質向け、手袋向けがいずれも低調に推移したことにより、売上高、営業利益ともに前年同期を下回った。
 この結果、エラストマー素材事業部門の売上高は852億9600万円、同4・7%増、営業利益109億3900万円、同40・2%減となった。
 高機能材料事業部門の高機能樹脂関連では、期間の後半にかけて光学レンズ用途などが堅調に推移したものの、期間前半の国内外の需要低迷の影響から、売上高は前年同期を下回った。高機能部材関連ではモバイル向け光学フィルムが数量を伸ばした一方で、テレビ向け光学フィルムの数量落ち込みの影響が大きく響いた。この結果、高機能材料事業部門の売上高は230億1900万円、同11・3%減、営業損失が2億5900万円となった。
 通期業績予想は9月26日に発表した下方修正から変更はない。
 同社は11年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「SZ―20」をスタートさせた。エラストマー素材事業と高機能材料事業の強みを磨き上げ、両輪でグローバルに事業を拡大する。業績目標は、2020年度連結売上高5000億円、海外生産比率50%以上。

 

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