クラレの第2四半期連結決算 液状ゴム販売は順調

2012年11月05日

ゴムタイムス社

 クラレは11月1日、2012年第2四半期連結決算説明会を開き、伊藤文大社長らが出席して概況を説明した。
 同社の中間連結業績は、売上高1808億8800万円、前年同期比2・6%減、営業利益238億9900万円、同18・6%減、経常利益218億8400万円、同24・5%減の減収減益となった。中間純利益は127億4500万円で同26・0%減。
 営業利益の増減要因は、欧州・アジアの経済低迷による数量減(19億円)、操業度低下(16億円)、売値・銘柄構成(7億円)、為替差損(9億円)、経費・その他(16億円)が減益要因となり、原燃料価格の低下(4億円)、償却費(9億円)がプラスに働いたが、差引き55億円の減額となった。
  樹脂事業は、欧州を中心とする世界的な景気減速による影響を受け、売上高は751億1300万円、同3・1%減、営業利益は244億1000万円、同5・8%減。
 化学品事業は、全般的な景気減速による影響を受け、売上高は389億3000万円、同横ばい、営業利益は20億7600万円、同59・7%減となった。イソプレン関連では液状ゴムが拡大したものの「セプトン」やファインケミカルは欧州、アジアの景況悪化および為替の影響を受けた。耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」はLED反射板・コネクタ用途が堅調に推移し、自動車用途も拡大。
 繊維事業の売上高は278億6500万円、同5・7%減、営業利益は7億5900万円、同23・3%増となった。「クラリーノ」はランドセル用途が好調に推移したが、靴用途の需要が低調。同事業は環境対応型プロセスへの集約を推進している。
 今後の事業展開について、伊藤社長は「中計GS-Ⅲに基づき、北米でポバール樹脂の能力を拡大、光学用ポバール樹脂はフィルム分野で薄膜化、広幅化など差別化を推進。植物由来原料のファルネセンは低燃費タイヤ向けで高い評価を得ており期待できる」などと語った。
 通期の連結業績は、売上高3800億円、前期比3・0%増、営業利益520億円、同5・0%減、経常利益505億円、同6・4%減、当期純利益300億円、同4・7%減を計画。

決算説明をする伊藤社長

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