丸一ゴム製作所 食品分野向けに販売拡充  営業強化で新規獲得狙う

2012年10月29日

ゴムタイムス社

㈱丸一ゴム製作所(埼玉県吉川市・杉本賢次社長)はゴムと共に培ってきたノウハウを活かして金属・基布・PTFE等の複合化した高機能製品で幅広く展開している。

 同社の昨年業績では、震災の影響で宮城工場が稼働するまで1ヵ月間かかったものの、先取りの受注が発生し過去最高の売上となった。ここ10年の間でも、プラスマイナス5%の状態で堅調に売上実績を残している。

 今期の計画として、既存のユーザーを維持しながら、新規顧客の開拓を強化していくという。

 同社の強みとして、多品種少量生産、短納期、品質管理といった顧客のニーズに対応した事業体制が整っている。

 最近では、食品向けゴム製品の展開を強化する。そのひとつに工業・理化学機器向けゴム・プラスチック製品の総合メーカーのアラム㈱とタイアップするMPフーズのなかで、Oリング、パッキン、ゴムヘラなどを製造している。

 食品分野では、従来ゴム・プラスチック製品は破損し異物として混入しても金属検知機等では検知でなかったが、MPフーズを使用することにより、破損した場合でも金属検知器やX線異物検知器に反応するので、異物が混入した状態での出荷を最低限に抑えることができる。また製品出荷前に異物が判断できることでリスクの軽減だけではなく、回収コストの削減につながっていく。

 また今年の春先から、MPフーズのカラーバリエーションを追加した。今までは黒一色だったが、色のラインアップ化を拡充することにより、目視での確認や幅広く食品分野への対応ができるようになった。

「今後は異業種でも、企業の得意分野と同社の得意分野を活かしながら、タイアップを強化し、進めていくことが必要になってくる」〈杉本社長)

 新製品、新技術の開発では、日本工業大学との産学連携で合弁会社・株式会社マルニットを設立。同社は日本工業大学内で同工場を置き、インジェクションのデメリットであった温度分布のばらつきを型に入れる際に、一定にできる高速加硫機やエポキシ樹脂の真空自動注型機を設置するなど積極的に研究開発をはじめ、研究成果や試作品をユーザーに提供している。

 また同社は昨年開催されたIPFや最近のNプラス等積極的に展示会に出展をしている。

「開発分野から商品展開をしたいという趣旨で、技術者や開発者が集まる展示会をターゲットに今後も積極的に出展していきたい」(杉本社長)

 同社は今後、新規顧客を獲得するために営業を強化しつつ、食品分野ではMPフーズシリーズのラインアップ拡充で幅広く食品分野にも販売拡充していく。